VizieR

VizieR（ヴィズィアー）について

VizieRは、フランスのストラスブール天文データセンター（CDS）が提供する天体カタログの閲覧サービスです。このプラットフォームは、2022年1月時点で20,000件以上の異なる天体カタログを収蔵しており、天文学の研究者にとって欠かせないリソースとなっています。

VizieRの歴史

VizieRの起源は1993年に遡ります。当初は欧州宇宙機関（ESA）が設立したESISカタログブラウザというプロジェクトに端を発しています。ESISは宇宙科学の向上を目指し、さまざまな形式や種類のデータを一元的にアクセスできるようにするネットワークデータベースとして開発されました。これは、当時のWeb技術が確立される前に開始された重要な取り組みでした。

その後、ESISカタログブラウザは長年にわたって天体データを収集・配布してきたCDSに移管され、1996年から正式にVizieRとしてサービスを開始します。これにより、世界中の研究者たちは、定期的に発表される学術誌上のカタログデータにアクセスできるようになり、天文学研究の基準点とされています。1997年には、CDSは検索機能やデータ量の向上を目指し、VizieRのプラットフォームを改修しました。ほぼ四半世紀にわたり、VizieRはバーチャル天文台における主要なデータソースとして機能し続けています。

VizieRの利用方法

VizieRを利用するには、CDSの公式ウェブサイトからアクセスすることができます。ユーザーはカタログの名称、製作者、または天体の天球上での位置情報などを入力することで、興味のあるカタログを検索できます。また、CDSが提供しているSIMBADという天体検索サービスを利用することも可能です。SIMBADでは、特定の天体に関連するデータが収録されたカタログへのリンクが自動的に生成され、そのリンクをクリックすることでVizieRへのアクセスが簡単になります。

まとめ

VizieRは、天文学の研究において非常に重要な役割を果たしているサービスです。多数の天体カタログへの便宜なアクセスを提供することで、研究者たちの知識を深め、新たな発見を促進しています。今後もVizieRは、天体観測やデータ分析の重要なリソースとして、多くの科学者に利用され続けることでしょう。

もう一度検索