SIMBAD

SIMBAD（シンバッド）概要

SIMBADは、太陽系外の天体に関する詳細な情報を収録したデータベースで、フランス・ストラスブールにある天文データセンターによって維持されています。このデータベースは、1979年までムードンに存在したCatalog of Stellar Identifications（CSI）とBibliographic Star Index（BSI）の二つのデータを組み合わせて誕生しました。

さらに、他の天文データや研究論文、追加の情報を取り入れたことで、SIMBADは時間とともに成長してきました。1981年に公開されたバージョン2からはオンラインアクセスが可能となり、多くの天文研究者や愛好家に利用されています。1990年にはC言語で開発されたバージョン3が公開され、ストラスブール天文台のUNIXシステムで運用されるようになりました。2022年時点では、バージョン4が使用されており、データはPostgreSQLのデータベース管理システムに格納されています。また、Javaで開発されたサポートアプリケーションによってデータが表示可能です。

最新の情報によると、2022年6月14日時点で13,346,575の天体データが収集されています。さらに、特定の小惑星（4692）SIMBADは、SIMBADのデータベース構築に寄与したストラスブール天文データセンターの全スタッフに敬意を表して名付けられました。

使用方法

SIMBADのデータベースを利用して天体情報を調べる方法の一つがBasic Searchです。この機能を使用する際は、天体の英語名を入力する必要があります。日本語での検索は対応していないため注意が必要です。入力した情報が一致する天体があれば、該当する名前が結果の上部に表示されます。固有名の他にも、バイエル名やカタログ番号での検索も可能です。例えば、ベガを調べる場合、英語での「Alpha Lyra」や「HD 172167」を用いても、同じデータが得られます。

データの詳細

データは主に英語で記載されていますが、ここではその内容を日本語で解説します。検索結果の一番上には「Coord」という項目があり、これは座標に関する情報です。ICRSは国際天文基準座標系を、Gal Coordは銀河座標を示します。次に「Proper Motion」があり、これは固有運動を示し、その単位は[mas/yr]となります。

さらに、「Radial velocity」と「Redshift」の項目があり、それぞれ視線速度と赤方偏移を示します。視線速度の単位は[km/s]で、赤方偏移には単位がありません。「Parallaxes」は年周視差を表し、単位はミリ秒です。「Spectral Type」では、星のスペクトル分類が示されており、例えばA0VaはA型主系列星に該当します。

最後に、U、B、V、R、I、J、H、Kといった項目は、観測波長に基づく異なる等級を表しています。詳しくは天文学の「UBVシステム」について参照してください。さらに詳細なデータが必要な場合は、「Collections of Measurements」から直径や金属量などの情報を調べることも可能です。

参考文献

Egret, D. (1983-03). “S.I.M.B.A.D story: a description of the data base of the Strasbourg stellar data center.”. Bulletin d'Information du Centre de Donnees Stellaires 24: 109-123. Bibcode: 1983BICDS..24..109E.

外部リンク

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