Vz. 52小銃

vz. 52小銃

vz. 52小銃は、第二次世界大戦後、チェコスロバキアで開発された半自動小銃です。しばしばCZ 52と誤って呼ばれますが、正式名称は7.62mm samonabíjecí puška vzor 52です。vz. 52はvzor 52、つまりモデル52の省略形です。

設計

vz. 52は、肩に当てて射撃する半自動小銃で、ティルティングボルトによる閉鎖機構を備えています。この機構は、ショートストロークの環状ガスピストンシステムで作動します。ボルトは2つのラグで固定され、レシーバーに機械加工されたスロット内部にはめ込まれます。特徴的なのは、ボルトを前方に傾けて機構を閉鎖する点で、他のティルティングボルト設計とは異なります。ピストンは銃腔からの残留ガスによって作動し、ガス圧を受けたピストンがボルトキャリアとボルトの質量、そしてリターンスプリングの抵抗を打ち消して進み、薬室の閉鎖を解除、ボルトキャリアを後退させて空薬莢を排出します。ボルトキャリアが再び前進する際には、弾倉から新しい銃弾が押し出され、薬室へと導かれます。

銃身は圧入され、レシーバーにピンで固定されています。手動の安全装置はトリガーガードの内部に配置され、射撃手の人さし指で操作します。トリガー機構は、アメリカ製のM1ガーランド半自動小銃のものと類似しています。コッキングハンドルはボルトキャリアーに組み込まれており、小銃の右側に位置しています。これにより、射撃手が照準を妨げることなく再装填できます。

照準器はオープンタイプのアイアンサイトで、前部の照星には覆いが付き、後部のV字状照門はスライド式の照尺に載り、100mから950mまで仰角を調整できます。レシーバーにはサイドレールを装着でき、昼夜間兼用の光学照準器を装備可能です。ストックはクルミまたはブナから削り出され、黄褐色に染色されています。銃床部分には、クリーニングロッド、オイルボトルと付属品を収容する中空の端部が設けられています。また、一体型の折り畳み式銃剣が付属しており、銃の右側に刻まれた窪みに収納できます。

vz. 52の給弾は、着脱可能な10発入り箱形弾倉から行われます。ボルトを後退させ、ストリッパー・クリップによる素早い装弾も可能です。このため、ボルトキャリア前面にはストリッパー・クリップを差し込むガイド溝が設けられており、ボルトキャリアが開位置で固定された際には、弾倉の真上から弾薬を押し込むことができます。歩兵には小銃1挺につき2個の弾倉しか供給されなかったため、主にストリッパー・クリップが使用されました。排莢は、空薬莢を左前方へと強く弾き出す方式です。

改修

ソビエト連邦が7.62x39mm弾を採用するよう圧力をかけた後、チェコスロバキアに存在する小銃はソビエト規格の口径へと改修され、さらに生産された小銃も全てこの口径の弾薬を使用するようになりました。この改修に伴い、vz. 52/57へと呼称が変更されました。

vz. 52/57は、銃身と弾倉を除いてほぼ同一です。vz. 52/57は通常、クロムメッキされた銃腔と薬室を備えており、状態の良いものが多いです。vz. 52の弾倉はvz. 52/57にも装着できますが、信頼性のある給弾は期待できません。

退役とその後

チェコスロバキア軍では、vz. 52系列の小銃は速やかにvz. 58へと更新されました。しかし、冷戦中には初期に製造された小銃がソビエトの友好組織で利用され、グレナダ、ソマリア、キューバ、アフガニスタンなどで使用されました。これらの小銃の多くはゲリラに渡っています。

採用国

キューバ
チェコスロバキア
エジプト
インドネシア：インドネシア海兵隊向けの装備。
イスラエル
グレナダ（ニュー・ジュエル運動の体制下で使用）
ギニアビサウ: vz. 52/57.
ニカラグア
ナイジェリア
シリア
イエメン
ジンバブエ

関連項目

SKSカービン
ZH-29半自動小銃
チェスカー・ズブロヨフカ・ウヘルスキブロッド
vz. 52軽機関銃

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