WS016SH

WS016SH、通称WILLCOM D4は、シャープが開発し、ウィルコム向けに供給されたUltra-Mobile PC（UMPC）であり、PHS端末でもあります。このデバイスは、インテル Centrino Atom プロセッサを搭載した世界初のUMPCとして、その登場は業界に大きなインパクトを与えました。

概要

発売当初、WS016SHにはOffice Personal 2007が標準でプリインストールされており、ビジネスシーンでの利用も想定されていました。その最大の特徴は、500gを切る超軽量なボディです。他の軽量PCと比較しても、その軽さは際立っており、携帯性に優れていました。しかし、バッテリー容量は7.4V/960mAhと少なめでした。この問題を解決するため、7.4V/2880mAhの大容量交換バッテリーがオプションで提供されました。また、発売を記念して、新規契約者や機種変更ユーザーを対象に、大容量バッテリーパックをプレゼントするキャンペーンも実施されました。このキャンペーンは2008年8月末まで行われ、多くのユーザーから支持を得ました。

さらに、学生や教職員向けには、電子辞書機能を追加し、価格を抑えたアカデミックパックが提供されました。このアカデミックパックは、同年6月19日に発表され、教育現場での利用を促進する狙いがありました。

2008年9月4日には、Office Personal 2007をプリインストールしない代わりに、大容量バッテリーを標準搭載したVer.Lが発売されました。しかし、シャープが2009年にPC（メビウスシリーズ）の生産を打ち切ったことに伴い、本機種も在庫限りで販売終了となりました。短命に終わったモデルではありますが、その革新的なコンセプトは、後継のモバイルPCに大きな影響を与えました。

発売延期

WS016SHは、当初4月14日に発表され、6月中旬の発売が予定されていました。しかし、「最終的なチューニングに時間がかかっている」という理由で、発売は7月中旬に延期されました。その後、6月17日に改めて、予約開始日が7月4日、発売日が7月11日とアナウンスされました。この発売延期は、製品の完成度を高めるための重要な措置であったと考えられます。

沿革

2008年4月14日 - 製品発表
2008年7月11日 - 発売
2008年7月25日 - アカデミック版発売
2008年9月4日 - Ver.L発売

関連項目

シャープ製のスマートフォン
F-07C - NTTドコモから発売されたWindows 7搭載UMPC一体型携帯電話。

外部リンク

WILLCOM｜WILLCOM D4
WILLCOM D4：シャープ
* 【PC Watch】シャープ、PC生産から撤退、GALAPAGOS事業に注力

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