WWシリーズ

『WWシリーズ』は、森博嗣氏が手掛ける小説シリーズであり、講談社タイガより刊行されています。このシリーズは、同氏の『百年シリーズ』で初めて登場した「ウォーカロン」が存在する未来世界を舞台としています。

物語は、『Wシリーズ』の直接的な続編という位置づけで、舞台設定や登場人物（人間、ウォーカロン、人工知能を含む）、そして各作品のタイトルが疑問文で統一されている点など、多くの要素を共有しています。これらの共通点により、シリーズ全体を通して一貫した世界観とテーマが感じられます。

著者の森博嗣氏は、シリーズを始めた経緯について、「Wシリーズを書いていくうちに、イメージが広がり、さらに物語を紡ぐことができると感じたため、新たなシリーズとして始めることになった」と語っています。この言葉からも、作者自身がシリーズに対して抱いている情熱と、物語への深い没入感が伝わってきます。

書籍のカバーデザインは、鈴木成一デザイン室が担当しており、フランスの写真家であるジャンルー・シーフの作品が使用されています。洗練されたデザインが、シリーズの持つ独特な雰囲気をさらに引き立てています。

主な登場人物

グアト: 楽器職人を自称していますが、その実、人間とウォーカロンを識別する特殊な能力を持つ人物。ドイツに拠点を置いています。
ロジ: グアトと共に生活する技師で、銃の所持許可を得ているほど戦闘能力が高い女性。グアトのボディガード的な役割も担っています。
ビーヤ: グアトとロジが住む家の大家で、彼らの家の向かいに住んでいます。
イェオリ: ビーヤの夫で、作家として活動しています。
ハンス・ヴォッシュ: ドイツ人の科学者であり、ノーベル賞を受賞しています。
ペイシェンス（パティ）: ヴォッシュの助手として働く、100年以上前に製造されたクラシックなウォーカロンです。
オーロラ: 人工知能。
マガタ・シキ: 伝説的な科学者。20世紀に殺人事件を起こし、無罪となっています。250年以上生きているとされる、神出鬼没な存在です。
クジ・マサヤマ: ウォーカロン産業の基礎を築いた科学者の一人ですが、故人です。
サエバ・ミチル: かつてキョートで殺害された人物。

シリーズ作品一覧

それでもデミアンは一人なのか？ (2019年6月)
神はいつ問われるのか？ (2019年10月)
キャサリンはどのように子供を産んだのか？ (2020年2月)
幽霊を創出したのは誰か？ (2020年6月)
君たちは絶滅危惧種なのか？ (2021年4月)
リアルの私はどこにいる？ (2022年4月)
君が見たのは誰の夢？ (2023年4月)
何故エリーズは語らなかったのか？ (2024年4月)

関連シリーズ

S&Mシリーズ
Vシリーズ
百年シリーズ
四季シリーズ
Gシリーズ
Xシリーズ
* Wシリーズ

『WWシリーズ』は、ウォーカロンが存在する未来という独特な設定の中で、人間とウォーカロン、そして人工知能が織りなす複雑な人間関係や、倫理的な問題を深く掘り下げています。森博嗣氏ならではの独特な文体と、予測不可能なストーリー展開は、読者を魅了し、深く考えさせられることでしょう。

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