WWC (プロレス)

WWC（World Wrestling Council）：プエルトリコのプロレスを牽引する団体

WWC（World Wrestling Council）は、プエルトリコを拠点とするプロレス団体です。1973年にカルロス・コロン、ゴリラ・モンスーン、ビクター・ジョビカによって設立されたキャピトル・スポーツ・プロモーションが母体となっています。カルロス・コロンは「プエルトリコの帝王」「プエルトリコの英雄」とも呼ばれ、WWCの顔として長年活躍しています。また、カリートことカーリー・コロン、プリモことエディ・コロンは実の息子であり、親子二代に渡ってプロレス界で活躍しています。

WWCはWWEと提携関係にあり、WWEがプエルトリコで興行を行う際にはサポートを行っています。

歴史

WWCは、1988年まではNWA（National Wrestling Alliance）の傘下団体でした。世界各国から著名な選手を招聘し、地元の英雄選手が迎え撃つという構図で人気を博しました。そのため、アメリカやカナダで活躍した選手の多くがWWCに参戦しています。徐々に規模を拡大し、プエルトリコ全土で興行を開催するようになり、絶大な人気を誇りました。

1988年7月16日、WWCの歴史において忘れてはならない悲劇が起こります。ブルーザー・ブロディがホセ・ゴンザレスによって刺殺されるという事件が発生しました。ブロディは日本でも非常に有名な選手であり、その死は日本のプロレスファンにも大きな衝撃を与えました。また、犯人であるゴンザレスが無罪となったことも、WWC、ひいてはプエルトリコに対して「伏魔殿」「危険な土地」というイメージを植え付けることになりました。この事件の負のイメージは、後に日本のFMWでビクター・キニョネスが率いたプエルトリコ軍団がヒールとして登場する遠因になったとも言われています。

その後、プエルトリコではAWFという団体が旗揚げされましたが、すぐに消滅し、WWCがプエルトリコのプロレス界を牛耳る状況が長く続きました。しかし、キニョネスがWWCと袂を分かちIWA（International Wrestling Association）を設立。国内外の選手を招聘し、WWCに対抗する勢力として台頭しました。

2006年にWBC（ワールド・ベースボール・クラシック）が開催された際、プエルトリコでは野球人気が非常に高いため、同日に開催したWWCの興行は数百人規模の会場に100人も入らないという事態となりました。

2007年7月13日には、WWEで活躍していたカリートを迎え、旗揚げ34周年記念大会を開催しました。

プエルトリコ方式

プロレスの試合会場の設営方法の一つに「プエルトリコ方式」と呼ばれるものがあります。これは、アリーナのフロアの隅にリングを設置し、観客席はアリーナ内には設けず、2階席の一部のみを使用するという方式です。観客は2階席からリングを見下ろす形で観戦します。この方式は、プエルトリコで野球場での興行が多く、グラウンドの内野付近にリングだけが設置され、観客がスタンドから見下ろす形で観戦することに由来します。

タイトル

WWCは、数々のタイトルを管理しています。

WWCユニバーサル・ヘビー級王座（旧：WWC世界ヘビー級王座）
WWC世界タッグ王座
WWC世界ジュニアヘビー級王座
WWCプエルトリコ・ヘビー級王座

過去には、以下のタイトルも存在しました。

WWC世界女子王座
WWC TV王座
WWCハードコア王座
WWC北米ヘビー級王座
WWC北米タッグ王座
WWCカリビアン・ヘビー級王座
WWCカリビアン・タッグ王座
WWCドミニカン・リパブリック王座

所属選手

WWCには、数多くの選手が所属しています。

AJカスティージョ
LAスムース（ロイド・アノアイ）
TNT（サビオ・ベガ）
アッシュ・ルビンスキー
アファ・ジュニア（マヌー、アファ・アノアイ・ジュニア）
アポロ
アンディ・リーヴァイン（ケビン・ハックマン）
エピコ
エリック・スコーピオン
エル・インベーダー1
エル・クエルボ
エル・チカーノ
エル・ディアボリコ
エル・ブロンコ
カリート
ギルバート
クリス・アンヘル
サイラー・アンドリュース
サミュエル・アダムス
サンダー
セバスチャン・グエッラ
チコ
トミー・ディアブロ
ナインティーン・ザヴァント
ブラック・ペイン（スウィート・パピ・サンチェス）
プリモ
ボブ・スティール
マイク・メンドーサ
マイティ・ウルサス
ライトニング
リッキー・バンデラス（エル・メシアス）
レイ・ゴンザレス

まとめ

WWCは、プエルトリコのプロレス界を長年に渡って牽引してきた団体です。数々のタイトルと、様々なドラマを生み出してきました。近年はIWAなどの対抗勢力の台頭もありましたが、プエルトリコのプロレスを語る上で欠かすことのできない存在です。

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