ゴリラ・モンスーン

ゴリラ・モンスーン：レスリング界の巨人、その生涯と功績

ゴリラ・モンスーン、本名ロバート・ジェームズ・マレラは、1937年6月4日、ニューヨーク州ロチェスターでイタリア系アメリカ人の家庭に生まれました。1999年10月6日、腎不全のため62歳でこの世を去りました。その巨体と卓越したレスリング技術で知られ、アメリカ合衆国を代表するプロレスラーの一人としてWWE殿堂入りを果たしています。日本でのニックネームは「人間台風」です。

華麗なるレスリングキャリア

コーネル大学レスリング部キャプテンとしてNCAA全米大会優勝、ソ連親善遠征ヘビー級代表など輝かしいアマチュア時代を経て、1959年、ジノ・マレラとしてプロレスラーデビュー。1963年には日本プロレスに初来日し、その後、WWWF（現WWE）に移籍します。

ビンス・マクマホン・シニアによって「満州出身の元アジア王者」というギミックを与えられ、ゴリラ・モンスーンとしてヒールとして登場。その怪人ぶりは、リングネームの由来となった「人間台風」というニックネームのインパクトを増幅させました。

デビュー間もなくブルーノ・サンマルチノのWWWF世界ヘビー級王座に挑戦。キラー・コワルスキーとのタッグではWWWF USタッグ王座を獲得。その後もビル・ワットとのタッグで同王座に返り咲き、IWA世界ヘビー級王座も獲得するなど、数々のタイトルを獲得しました。

サンマルチノ最大のライバルとして活躍した彼は、ザ・シーク襲撃事件をきっかけにサンマルチノに救われ、ベビーフェイスへ転向。ペドロ・モラレスのマネージャーを務めた時期もありました。モハメド・アリとの乱闘やアンドレ・ザ・ジャイアントとのボクシングマッチなど、異種格闘技戦にも挑戦しました。1980年、ケン・パテラとの引退を賭けた試合に敗れ、現役を引退しました。

リングの外でも活躍したレジェンド

引退後も、ビンス・マクマホン・シニアとの強い信頼関係のもと、WWWFの親会社役員やブッカー、プロデューサーとして活躍しました。レスラーとしてだけでなく、バックステージでもプロレス界に多大な貢献を果たしました。

特に、実況アナウンサーとしての実績は輝かしいものがあります。ジェシー・ベンチュラ、ジョニー・バリアント、ボビー・ヒーナンらとのコンビで、冷静な分析とユーモアの効いた解説は、後のプロレス実況に大きな影響を与えました。

1993年には実況アナウンサーの座をジム・ロスに譲り、裏方へ専念。WWF会長に就任した彼は、レッスルマニア12のブレット・ハート対ショーン・マイケルズのアイアンマンマッチでは、延長戦を決定するなど、重要な役割を担いました。

1999年、レッスルマニア15への出演が最後のテレビ出演となり、同年10月6日、62歳で他界しました。現在でもWWEでは入場ゲート裏を「ゴリラ・ポジション」または「ゴリラ・ゾーン」と呼んでおり、その偉大な功績が称えられています。2003年にはWWE殿堂入りを果たし、ボビー・ヒーナンによる感動的なスピーチが贈られました。

ゴリラ・モンスーンの偉業

ゴリラ・モンスーンは、リング上での活躍だけでなく、裏方として、実況アナウンサーとして、常にプロレス界を支え続けました。彼の存在は、プロレスの歴史に大きな足跡を残しています。その人格者ぶりは、多くのプロレス関係者から慕われ、現在でも語り継がれています。彼の功績は、単なるプロレスラーの枠を超え、プロレス界全体の発展に貢献したレジェンドとしての評価に値するでしょう。

得意技:

エアプレーン・スピン
ゴリラ・スプラッシュ
ジャイアント・スイング

獲得タイトル:

WWWF USタッグ王座 (2回)
IWA世界ヘビー級王座
WWA世界タッグ王座 (2回)
WWC北米ヘビー級王座 (2回)
WWF殿堂 (1994年)

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