We are

アルバム『We are』の概要

『We are』は、1980年の11月21日に発売されたオフコースの通算8作目にあたるオリジナルアルバムです。このアルバムは、バンドが音楽的表現をさらに深めるための大きなステップとなりました。

アルバム制作の背景

アルバムの制作は1980年の8月から始まり、9月末には全ての録音が完了。その後、アメリカでミックスダウンが行われました。この際のミキサーには、著名なエンジニアであるビル・シュネーが起用されました。彼はTOTOやボズ・スキャッグス、スティーリー・ダンなど、多くのアーティストと仕事をしてきた経歴を持っています。

小田和正がビル・シュネーに依頼することになったのは、彼がツアー中に偶然出会ったボズ・スキャッグスのアルバムに感銘を受け、そのエンジニアとしてのスキルに惹かれたからです。 小田は早速連絡を取った結果、ビルが最初に返事をくれたことから、本プロジェクトが実現しました。

ビル・シュネーの影響

ビル・シュネーはその音楽的センスや手際の良さ、大胆なアプローチでメンバーを驚かせました。バンドは彼の技術から多くを学び取り、DeCeの強調したいポイントを音楽に落とし込むことに成功します。武藤敏史も、「ミキサーは音楽をまとめあげる役割を担っており、ビルは彼らの表現を可能にしてくれたアーティストだった」と評価しています。

アートワークとメンバーへの配慮

アルバムのジャケットには5人のメンバーの名前がローマ字で明記され、裏面には等身大の写真が並べられています。このように、メンバー全員の権利と責任を平等に配分することを小田は意識し、グループの一体感を強調しました。

収録曲の詳細

アルバムには多彩な曲が収められています。例えば、A面の「おまえもひとり」では、鈴木と松尾がそれぞれギターソロを担当し、複雑なフレーズを見事に演奏しています。一方、A面の「いくつもの星の下で」は、曲作りが難航した末に完成し、鈴木がメンバーからの称賛を受けたことを回顧しています。

B面の「せつなくて」は実質的には小田の協力があった作品であり、松尾の過去の恋愛がインスパイアとなっています。曲の背景を踏まえた上での共同作業は、オフコースならではのクリエイティビティを示しています。

また、「Yes-No」では、シングル版とは異なり、富樫要のフリューゲルホーンが省略され、さらに後半部にカウベルが加えられました。「私の願い」も、小田のプロデュースのもとで鈴木雅之にカバーされるなど、バンドの音楽的影響力を感じさせる一曲となっています。

再発とリリース

このアルバムは2005年にレコードデビュー35周年を記念してリイシューされ、デジタルリマスタリングを経て新たにファンの手に渡ることとなります。2009年にはSHM-CDフォーマットとしても再発され、広く聴かれる機会を得ました。

結論

『We are』はオフコースの音楽的成長と深化を示す重要な作品であり、各メンバーがそれぞれの個性を発揮しつつも、一体感を保った見事なアルバムとして音楽史に名を刻んでいます。

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