ビル・シュネー

ビル・シュネー：音楽界を彩る名プロデューサー、レコーディング・エンジニア

ビル・シュネー（Bill Schnee、1947年7月4日 - ）は、アメリカ合衆国出身の音楽プロデューサー、そして卓越したレコーディング・エンジニアとして、その名を知られています。数々の著名アーティストの作品を手がけ、音楽史に輝かしい足跡を残してきました。

生い立ちと音楽への目覚め

アリゾナ州フェニックス市で生まれ育ったシュネーは、幼少期から音楽に親しみます。8歳でキーボードを始め、9歳でトランペット、11歳でサックスへと楽器を変えながら、音楽の才能を開花させていきました。13歳で家族とともにサンフランシスコへ、そして16歳でロサンゼルスへと移住。ロサンゼルスでの高校時代には、キーボーディストとしてバンド活動に没頭する日々を送ります。この頃、バンドのプロデューサーがシュネーによるミキシングの才能を見抜き、プロのレコーディング技術を学ぶことを勧めました。カリフォルニア理工大学、ロヨラ法科大学在学中も作曲、演奏活動を続けていましたが、次第にレコーディングエンジニアこそが自身の進むべき道だと確信するようになります。

プロとしてのキャリア

1969年、スミスの「A Group Called Smith」でエンジニアとしてデビューを果たします。その後、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズやリンゴ・スターなど、大物アーティストのプロデュースやエンジニアリングを手がけ、着実にキャリアを積み重ねていきました。そして1975年、テルマ・ヒューストンの「I've Got the Music in Me」の発表を機に、シュネーの名は広く知られるようになります。ミッシェル・ポルナレフ、TOTO、ボズ・スキャッグス、スティーリー・ダン、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、シカゴ、オリビア・ニュートン＝ジョン、ホイットニー・ヒューストンなど、名だたるアーティストの作品をプロデュース、またはエンジニアリングを手がけ、音楽業界において確固たる地位を築きました。

日本との繋がり

日本においては、オフコース、小田和正のレコーディング・エンジニアとして特に知られています。「We are」から「as close as possible」までのオフコースのアルバム、そして小田和正の数多くのアルバム制作に深く関わりました。小田和正とは同じ1947年生まれということもあり、音楽の枠を超えた親交を深めています。

シュネー・スタジオ

1981年、ノース・ハリウッドに自身のスタジオ、シュネー・スタジオを設立。このスタジオは、その優れたレコーディング設備で知られ、ドン・ヘンリー、アニタ・ベイカー、アーロン・ネヴィル、シェール、ナタリー・コール、テディ・ペンダーグラスなど、数多くのアーティストがレコーディングに利用しました。小田和正も、初のソロアルバム「K.ODA」から「MY HOME TOWN」まで、シュネー・スタジオをレコーディングの拠点としていました。

受賞歴

スティーリー・ダン『Aja』 - 1978年度グラミー賞・最優秀録音賞
スティーリー・ダン『Gaucho』 - 1980年度グラミー賞・最優秀録音賞
PBSのナタリー・コール ライブコンサート - 1992年度エミー賞・ベストサウンドミキシング賞
プロミス・キーパーズ協賛アルバム「Raise the standard」 - 1996年度ダブ賞

グラミー賞には、上記2度の受賞を含め、10度ノミネートされています。また、60以上のゴールドディスク、35のプラチナディスクを世に送り出し、制作に関わったシングル曲のうち、全米トップ20入りを果たした曲は50曲以上に上ります。

ビル・シュネーは、その卓越した技術と才能で、数々の音楽作品を輝かせ、音楽史にその名を刻み続けています。

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