WebM

WebM（ウェブエム）は、Googleが開発したオープンかつロイヤリティフリーの動画コンテナフォーマットです。ウェブでの利用に最適化されており、軽量ながらも高画質な動画配信を実現することを目標としています。このフォーマットは、姉妹プロジェクトである静止画フォーマットのWebPと共に開発されました。

技術詳細

WebMは、以下の要素技術を組み合わせて構成されています。

映像コーデック: VP8、VP9、AV1
音声コーデック: Vorbis、Opus
メディアコンテナ: Matroskaのサブセット

ファイル拡張子は「.webm」です。

対応状況

主要なウェブブラウザでは、以下のバージョン以降でWebMが標準でサポートされています。

Mozilla Firefox 4以降
Opera 10.60以降
Google Chrome 6以降
Safari 14以降

Internet Explorer 9も、VP8コーデックをインストールすることで対応可能になります。Googleは、SafariとInternet Explorer 9向けにWebMプラグインを提供していました。また、Googleは全てのYouTube動画をWebMに変換することを発表しました。

開発の経緯

GoogleがWebMをオープン化した背景には、HTML5の動画要素における標準フォーマットとしての地位確立を目指す意図があります。既存のフォーマットであるTheoraはオープンソースで無料であるものの品質面で課題があり、H.264は高品質であるものの特許料が発生するという問題がありました。これにより、各ウェブブラウザの対応状況が統一されておらず、普及の妨げとなっていました。

WebMはこれらの問題を解決し、フォーマットの統一を目指しました。しかし、VP8はMPEG LAが管理する特許に抵触する可能性が指摘され、普及の妨げとなっていました。その後、2013年3月7日にMPEG LAとの契約が成立し、この問題は解消されました。しかし、2010年8月にMPEG LAがH.264をインターネット上での無料動画配信に限ってライセンス料を課さないことを発表したため、WebMがWeb上の標準フォーマットとなるには、まだ乗り越えるべき課題が存在します。

YouTubeでの利用を想定し、VP9は高精細度ビデオ（HD）に対応し、4K解像度を目標に改良されました。2016年中頃には、開発中であったVP10がDaalaやThorと共にAV1（AOMedia Video 1）へと統合されました。

特許について

VP8の特許問題については、VP8の項目を参照してください。

関連情報

関連項目
WebP
VP8
VP9
AV1
Vorbis
Opus
Matroska
HTML5
コーデック

外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、WebMに関するメディアがあります。
公式ウェブサイト （英語）
* WebM Container Guidelines （英語）

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