Windows Media Video

Windows Media Video（WMV）とは

Windows Media Video（WMV）は、マイクロソフトが開発した動画コーデックであり、Windows Media Formatの中核を担っています。オーディオコーデックであるWindows Media Audio（WMA）と組み合わせて使用されることが一般的です。

歴史

1998年、マイクロソフトはWindows Media Player 6でMS-MPEG4コーデックを搭載し、その後、2000年に発表されたWindows Media Player 7でWindows Media Video 7を採用しました。その後も改良を重ね、8、9と進化を遂げ、現在の形に至っています。

2003年9月には、マイクロソフトはWMV9のデコーダ部分のソースコードを、米国映画テレビジョン技術者協会（SMPTE）にVC-9という名称で標準規格候補として提出しました（後にVC-1に改称）。この際、WMV9がMPEG-4をベースに改良された方式であることが明らかになり、ライセンスの扱いが問題となりました。しかし、2004年2月にはDVDフォーラムによってVC-9（当時）がHD DVDの必須映像コーデックとして承認され、2004年9月にはBlu-ray DiscもビデオコーデックとしてVC-1を採用するなど、WMV技術はパーソナルコンピュータ以外にも幅広く利用されるようになりました。

特徴

高い普及率: Microsoft Windowsで標準対応（Windows Media Playerで再生可能）であるため、PCでの再生環境の普及率が高いです。
高画質・低ビットレート: WMV9はDVD（MPEG-2）の約半分のビットレートで同等の画質を実現できます。また、HDTV（WMV HD）にも対応しています。
ストリーミング配信: 低ビットレートでも映像の破綻が少なく、ストリーミング配信（ASFコンテナ格納時のみ）にも適しています。
デジタル著作権管理（DRM）: デジタル著作権管理（DRM）に対応（ASFコンテナ格納時のみ）しており、著作権保護が可能です。
エンコード時間: エンコードに時間がかかる傾向がありますが、速度指定により改善が可能です。
シーク制限: シークを制限する設定も可能です（ASFコンテナ格納時）。

利用例

企業や団体による一般向け動画配信
テレビ番組やビデオカメラで録画した映像の保存
Windows Media EncoderやMicrosoft Expression Encoderを用いた個人配信

コンテナ形式

WMVは、DirectShowを利用したコンテナ形式（ASF/WMV、AVIなど）に格納できます。

通常のWMV9（ASFコンテナ）: `(WMV9+WMA9).wmv`
VCMを使用したWMV9（AVIコンテナ）: `(WMV9+MP3).avi`

注意事項

WMV9には、以下の3つの種類があります。

1. 通常のWMV9コーデック: FourCC: `WMV3`
2. WMP10系エンコーダで圧縮したWMV9 Advanced Profile: FourCC: `WMVA`
3. WMP11系エンコーダで圧縮したWMV9 Advanced Profile: FourCC: `WVC1`

VC-1として採用されたのは、WMV3とWVC1であるため、WMVAでエンコードされたファイルはHD DVDやBlu-ray Discで使用できません。マイクロソフトは、今後エンコードする際にはWMVAではなくWVC1を使用することを推奨しています。

関連項目

VC-1採用規格: Blu-ray Disc, HD DVD
コンテナ形式: Advanced Systems Format（ASF）, Audio Video Interleave（AVI）
コーデック: Windows Media Audio（WMA）, VC-1, H.264
関連団体: MPEG LA, SMPTE
その他: Windows Media Player, ffdshow, FairUse4WM

外部リンク

Microsoft Windows Media - 9 シリーズのコーデック - ビデオ
MPEGラボ 第23回 Microsoftが標準規格化を目指す「Windows Media Video 9」の仕組み
SMPTE
MPEGLA
Windows Media Video 9 VCM
Windows Media エンコーダ
AzWM9 Script Frontend
WmvTool

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