Without you (La'cryma Christiの曲)

Without you (La'cryma Christiのシングル)

「Without you」（ウィザウト・ユー）は、日本のヴィジュアル系ロックバンド、La'cryma Christiによって1999年5月26日にリリースされた通算7枚目となるシングル楽曲です。この作品は、ユニバーサルミュージック内のポリドールレーベルから発売されました。

解説

本楽曲にまつわるエピソードとして特に知られているのが、通称「ごめんね問題」と呼ばれる出来事です。これは、ボーカルのTAKAがレコーディングの際に、当初予定されていた歌詞の「君の全てを抱きしめられず、辛いよ」というフレーズを、自らの判断で「ごめんね」に変更して歌唱したことから始まりました。この変更に対し、一部のスタッフからは「女々しい」といった否定的な意見が出されましたが、ドラムスのLEVINがTAKAの表現を支持したため、最終的に「ごめんね」という歌詞が採用されることになりました。この経緯について、ギターのKOJIがメンバーとの会話の中で「例のごめんね問題なんやけどな」と冗談交じりに言及したことから、ファンの間ではこの名称で親しまれるようになりました。また、ベースのSHUSEは、もし歌詞が元の「辛いよ」のままだったとしたら、これほど感情移入することはなかっただろうと後に語っており、歌詞変更が楽曲にもたらした影響の大きさをうかがわせます。

音楽的な特徴としては、TAKAがそれまでの楽曲で日本語の歌詞に強いこだわりを見せていたのに対し、本作では一転してサビの部分に英語のフレーズを採用するという試みがなされています。これにより、楽曲の雰囲気はより普遍的でキャッチーなものとなりました。カップリング曲の「I Love you」は、ストリングスを取り入れた壮大なアレンジが特徴で、ライブパフォーマンスではTAKAが自らピアノを演奏しながら歌唱するスタイルが披露され、観客を魅了しました。

プロモーションビデオは、鹿児島県に実在する介護福祉センターで撮影が行われました。また、ビデオの制作は、先行シングル「Lhasa」のプロモーションビデオを手掛けたのと同じ制作チームが担当しています。

セールス面では、発売直後の初動売上は前作の初動を上回る好調なスタートを切りましたが、最終的な累計売上では前作と比較して約3.5万枚の減少となりました。リリースに先立ち、TAKAが公の場で「失恋しました！」と宣言していたことも、当時の音楽ファンの間で話題を呼びました。

発売後、バンドはオリジナルアルバム『magic theatre』をリリースしましたが、残念ながら本作の表題曲およびカップリング曲はいずれも同アルバムには収録されませんでした。その後、La'cryma Christiが初めてリリースしたベストアルバムにようやく収録されることとなります。

収録曲

1. Without you
作詞：TAKA / 作曲：KOJI
テレビ東京系列『クイズ赤恥青恥』エンディングテーマ
2. I Love you
作詞：TAKA / 作曲：HIRO
3. Without you (unvocal version)
4. I Love you (unvocal version)

収録作品

以下のアルバムに収録されています。

『Single Collection』（#1, #2）
『Sound & Vision THE SINGLES + Selection from Live “DECADE”』（#1）
『La'cryma Christi Singles + Clips』（#1, #2）

外部リンク

* ユニバーサルミュージックの作品紹介ページ

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