WxWidgets

wxWidgetsは、[C++]]で開発されたクロスプラットフォーム対応のGUIツールキットです。このツールキットの最大の特徴は、Windows、macOS、Linuxといった主要なオペレーティングシステム]で動作するアプリケーションを、同じソースコードから開発できる点にあります。さらに、[[C++だけでなく、Python、Perl、JavaScriptといった様々なプログラミング言語からも利用できるように、バインディングが提供されています。

単にGUIコンポーネントを提供するだけでなく、文字列操作、ファイル管理、HTTP通信など、OSに依存しない便利な機能も豊富に備わっています。これにより、各OS間でのアプリケーションの移植性を高め、開発者は特定のOSに縛られることなく、アプリケーションを開発できます。また、他の多くのGUIツールキットとは異なり、wxWidgetsは各コンポーネントの描画をOSに委ねています。このため、アプリケーションはそれぞれのOSに最適化された外観で表示され、ユーザーは慣れ親しんだ操作感で利用できます。

wxWidgetsはC++で記述されているため、高速な動作を実現しており、JavaのSwingのように、実行時に別途ソフトウェアをインストールする必要がないというメリットもあります。これらの特徴から、wxWidgetsは、クロスプラットフォームアプリケーション開発において、非常に強力なツールとなり得ます。

歴史

wxWidgetsは、当初wxWindowsという名称で、1992年にエディンバラ大学のJulian Smart氏によって開発が開始されました。Smart氏は、1986年にセント・アンドルーズ大学で計算科学の優等学位を取得しており、現在もwxWidgetsの中核的な開発者として活躍しています。

2004年2月20日、プロジェクト名がwxWidgetsに変更されました。この名称変更は、マイクロソフト社からの要請によるもので、同社が持つ登録商標であるWindowsに配慮した結果です。wxWidgetsのメジャーリリースバージョンとしては、2003年6月9日に2.4、2005年4月23日に2.6、そして2006年12月14日に2.8.0がリリースされています。

wxWindowsライセンス

wxWidgetsは、オープンソースイニシアティブによって承認されたwxWindowsライセンスの下でライセンスされています。このライセンスは、LGPL(GNU Lesser General Public License)にいくつかの例外条項を追加したもので、ソフトウェアの利用と改変をより柔軟に認める内容となっています。

参考文献

Smart, Julian; Kevin Hock (2006). Cross-platform GUI programming with wxWidgets. Bruce Perens' open source series. Stefan Csomor. Upper Saddle River, N.J.: Prentice Hall. ISBN 9780131473812.

関連項目

wxWidgetsオフィシャルサイト
* wxWidgets (wxWindows) 日本語ドキュメントプロジェクト

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