X(エックス)
『X』は、
1992年5月29日に
任天堂から発売された
ゲームボーイ用ソフトです。
ワイヤーフレームで表現された3D
空間が舞台の
シューティングゲームで、プレイヤーは多目的
戦車VIXIVを操作し、様々なミッションに挑戦します。
ゲームボーイの性能を最大限に活かしたリアルタイム3D描画が特徴で、当時のゲームファンを驚かせました。
ゲーム概要
ストーリー
宇宙世紀XXXX年、人口が増えすぎた人類は、新たな居住地を求めていました。そして、
地球に似た環境の
惑星テタムス2を発見し、高エネルギー
鉱物「パワークリスタル」の発掘に成功します。しかし、パワークリスタルを積んだ輸送船がエイリアン軍に襲撃され、撃墜されてしまいます。この事態を受け、
地球からスペースタンクVIXIVがテタムス2へ派遣され、エイリアンの侵略を阻止することになります。
ゲームシステム
プレイヤーは、自機である多目的
戦車VIXIVを操作し、司令官から与えられるミッションをクリアしていきます。ミッションは敵の撃破、物資輸送、基地防衛など多岐にわたります。VIXIVは
ワイヤーフレームで描かれた3D
空間を自由に移動でき、前後左右の移動や旋回、高度の概念が存在します。
ワイヤーフレームによる描画は、
ゲームボーイの処理能力を最大限に活かすための工夫です。
VIXIVの操作
移動: 十字キーの上で前進、下で後退、左右で旋回。
速度: STOP、LOW、MED、HIGHの4段階に加え、TURBOで加速。TURBOは燃料を消費。
接近探知機: 敵が近くにいると点滅。
レーダースクリーン: 自機を中心とした
レーダー。敵の位置やオブジェクトを表示。
シールドメーター: VIXIVの耐久力。シールド8つと装甲1つで構成。
タイマー: ミッションの制限時間を表示。
レーザービーム: Aボタンで発射。照準にエーミングカーソルが出ている時に命中。
特殊兵器: Bボタンで発射。
レーダー基地で装備。
アイテム回収: 正面から接近し、トラクタービームで自動回収。
ファインダー: 目標物を示す矢印を表示。
グリッドスクリーン: 簡易マップを表示。
ペーパーマップ: ポーズ中に詳細マップを表示。
トンネル移動: 地下トンネルを通って移動。時間は経過しないが、壁に接触するとダメージ。
飛行: ピラミッド型のオブジェにTURBO速度で突っ込むと飛行状態になる。燃料を消費。
アイテム
シールドマッシュルーム: シールドを1マス回復。
ミサイル: 特殊
兵器の使用に必要。8本まで装填可能。
燃料: TURBO速度や飛行状態を維持するのに必要。4マスまでストック可能。
コイン: シールド、
ミサイル、燃料を全回復。
施設
レーダー基地: シールド、ミサイル、燃料の補給や特殊兵器の装備が可能。
トンネルエントランス: トンネル移動の入口。飛行のための滑走路にもなる。
ジャンクション: 複数のトンネルが集まる場所。資源の全補給が可能。
ニュークリアサイロ: 特定ミッションで使用する重要施設。
レーダー基地で以下の4種類から選択し、装備できます。
LOCK ON: 敵をロックオンしてミサイルを発射。
BOMB: 地下トンネルを破壊する爆弾。地上でも使用可能。
JETPAC: TURBO速度での飛行を補助。
HIGH-EX: 最終ミッションで使用する巨大
ミサイル。周囲に大ダメージを与える。
ステージ構成
各ミッションには異なるクリア条件とゲームオーバー条件が設定されています。集めたアイテムは次のミッションに引き継がれますが、基地や敵の状態はリセットされます。
ミッション1: パワークリスタルを回収し、ニュークリアサイロに届ける。
ミッション2: 時限爆弾を全て破壊する。
ミッション3: ヒューマノイドタンクを全て破壊する。
ミッション4: 科学者ドクターやまのを救助し、ニュークリアサイロに届ける。
ミッション5: エイリアントンネルを破壊する。
ミッション6: トラックを護衛し、リアクターロッドを届ける。
ミッション7: スーパーグライダーからリアクターロッドを取り戻し、ニュークリアサイロに届ける。
ミッション8: サナギを全て破壊する。時間切れになるとバタフライに変化し、基地を襲撃する。
ミッション9: クルーズミサイルを全て破壊する。
ミッション10: マザーシップを破壊する。最終ミッション。
敵キャラクター
本作には様々な敵キャラクターが登場します。
ライトタンク: 弾丸を撃つ戦車。
スモールタンク: 弾丸を撃つ
戦車。
スキマー: 体当たり攻撃をしてくる戦闘機。
戦闘機: スキマーとほぼ同じだが、耐久力が高い。
パワータンク: 耐久力が高い戦車。
スパイダー: 蜘蛛型
戦車。攻撃せず、攻撃するとBOMBを落とす。
時限爆弾: ミッション2の破壊目標。
ヒューマノイドタンク: レーダー基地を狙う
人間型
戦車。
ミサイルで破壊可能。
マイン: 地雷のような爆弾。近づくと爆発する。
ミサイルランチャー: ミサイルを発射する固定砲台。
エイリアンベース: 科学者を捕らえている基地。
メタルクリーチャー: エイリアンベースに潜む蜘蛛型
戦車。
エイリアントンネル: テレポートタンクが出撃してくるトンネル。
テレポートタンク: エイリアントンネルから出撃する
戦車。
巨大ナメクジ: 放射能漏れで巨大化した虫。
インセクト: トラックを襲う
昆虫。
ミサイルで破壊可能。
ラフレシア: スキマーと似た敵だが、より耐久力が高い。
出撃基地: 特攻機が出撃してくる基地。
特攻機: 出撃基地から出現する、耐久力の低い戦闘機。
改良戦闘機: 執拗に追跡してくる戦闘機。
グライダー: 上空を飛び回る。攻撃はしない。
スーパーグライダー: リアクターロッドを運ぶ軍用機。
巨大幼虫: 放射能漏れで巨大化した蝶の幼虫。
サナギ: 巨大幼虫が変化したサナギ。
バタフライ: サナギから羽化した巨大蝶。
クルーズミサイル: ニュークリアサイロを狙う
ミサイル。
マザーシップ: エイリアン軍の旗艦。HIGH-EXで破壊可能。
司令官: 特定条件で敵として出現。
オブジェクト
パワーキューブ: シールド回復アイテムを生成。
ビーコン: ランダムなアイテムを出す。
フローター: 燃料を出す。
大木: 破壊するとアイテムが出現したり、特定の敵が出現したりする。
音楽
本作の音楽は、
戸高一生が作曲を担当しています。
クラブニンテンドー: 特典グッズとしてトンネルシーンのBGMが収録。
大乱闘スマッシュブラザーズX: トンネルシーンのアレンジ曲が収録。
スタッフ
ディレクター: 坂本賀勇
プログラマー、デザイナー: ディラン・カスバート(アルゴノートソフトウェア)
音楽: 田中宏和、戸高一生
プロデューサー:
横井軍平
評価
ゲーム雑誌では、臨場感は
ゲームボーイでは限界があるものの、初心者にも配慮されたゲームシステムであると評価されました。
備考
当時のCMでは、マニア向けのソフトであると紹介されていました。
X-RETURNS
2010年には、
ニンテンドーDSiウェアで続編の『X-RETURNS』が配信されました。ゲームジャンルはアクションからシューティングに変更され、ローポリゴンで表現された世界観が特徴です。前作から20年後を舞台としており、主人公や教官は
コールドスリープされていた同一人物という設定です。システムもいくつか変更されており、例えばコンティニューに必要な☆が廃止され、セーブ地点からの再開が可能になっています。また、ステージの途中に敵やトラップが配置されるようになっています。