XボソンとYボソン

XボソンとYボソン

Xボソンと[Y]]ボソンは、素粒子物理学における大統一理論]で提唱されている、仮説上の素[[粒子です。これらは、ハワード・ジョージとシェルドン・グラショーによって提唱されたSU(5)大統一模型において、新たな相互作用を媒介するゲージ粒子として導入されました。まとめてXボソンと呼ばれることもあります。

特徴

種類: スピン1のベクトルボソン
ウィークアイソスピン: 2重項を形成
ウィークハイパーチャージ: ±5/6
電荷: Xボソンは ±4/3、Yボソンは ±1/3
カラーチャージ: それぞれにカラーチャージの下で3重項を形成し、クォークと結合
質量: およそ10¹⁵GeV程度と推定

役割

XボソンとYボソンの最も重要な役割は、クォークとレプトンを結びつけることです。これにより、バリオン数を保存則を破り、陽子崩壊を可能にするという重要な意味を持ちます。標準模型では、バリオン数は保存される量ですが、大統一理論においては、XボソンやYボソンのような粒子が存在することで、バリオン数の破れが起こりえます。

崩壊過程

XボソンとYボソンは、以下のような崩壊過程を持つと考えられています。

`X → u + u`
`X → e+ + d`
`Y → u + d`
`Y → v + d`

ここで、各過程における2つの崩壊生成物は互いに逆のカイラリティを持ちます。具体的には、1番目の崩壊生成物は左手型、2番目の崩壊生成物は右手型となります。

記号の意味は以下の通りです。

`u`: アップクォーク
`d`: ダウンクォーク
`e+`: 陽電子
`v`: 反電子ニュートリノ

これらの反応では、レプトン数（L）もバリオン数（B）も保存されませんが、その差（B-L）は保存されます。Xボソンとその反粒子の分岐比の違いにより、宇宙におけるバリオン数の非対称性、すなわちバリオン生成が説明できると期待されています。

バリオン生成

宇宙初期には、物質と反物質がほぼ同量存在していたと考えられています。しかし、現在の宇宙は物質が圧倒的に多く、反物質はほとんど存在しません。この物質と反物質の非対称性を説明するためには、バリオン数を破る過程が必要となります。XボソンやYボソンは、このようなバリオン数を破る過程を媒介し、バリオン生成を引き起こす可能性のある粒子として注目されています。

まとめ

XボソンとYボソンは、大統一理論における重要な要素であり、クォークとレプトンの統一、陽子崩壊、バリオン生成といった現象を説明する上で重要な役割を果たすと考えられています。これらの粒子の存在は、標準模型を超える新たな物理の存在を示唆しており、今後の実験的な検証が期待されています。

参考文献

Ta-Pei Cheng, Ling-Fong Li (1983). Gauge Theory of Elementary Particle Physics. Oxford University Press. ISBN 0198519613

関連項目

大統一理論

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