X-ファイル シーズン10

『X-ファイル』 シーズン10の詳細解説

2016年、長らくファンに待ち望まれたSFドラマ『X-ファイル』が、シーズン10として復活しました。全6話で構成されたこのシリーズは、FOXでの放送後、Amazon.comやHuluなどでも配信され、大きな話題を呼びました。

制作の背景

当初、FOXは復活版を「ミニシリーズ」と位置づけていましたが、多くの批評家や配信サービスは「シーズン10」と表記。第1話放送後にはFOXもシーズン10の表記を用いるようになりました。テレビ版シーズン10は漫画版シーズン10とは関連がないとされていましたが、後にオーディオブック『The X-Files: Cold Cases』の制作が発表され、両者の関係性が示唆されることになりました。

日本では『X-ファイル 2016』としてデジタル配信が開始され、DVD及びブルーレイBOXも発売。漫画『金田一少年の事件簿R』とのタイアップも行われました。

スタッフ

製作総指揮にはクリス・カーター、グレン・モーガン、ジェームズ・ウォンが名を連ね、製作にはダリン・モーガン、ゲイブ・ロッターが参加。撮影はジョエル・ランザム、音楽はマーク・スノウが担当しました。サイエンス・アドバイザーには生物学者のアン・シモンが迎えられました。ヴィンス・ギリガンとフランク・スポットニッツにもオファーがあったものの、スケジュールの都合で参加は見送られました。

キャスト

続投キャスト

デイヴィッド・ドゥカヴニー - フォックス・モルダー（小杉十郎太 / 風間杜夫）: 元FBI捜査官。
ジリアン・アンダーソン - ダナ・スカリー博士（相沢恵子 / 戸田恵子）: 病院勤務の医師。
映画第2作で同居していたモルダーとスカリーは、このミニシリーズで破局。
ミッチ・ピレッジ - ウォルター・スキナーFBI副長官（島香裕）
トム・ブレイドウィッド - メルビン・フロハイスヒキー（？）、ローン・ガンメンのメンバー
ブルース・ハーウッド - ジョン・フィッツジェラルド・バイヤース（稲葉実）、ローン・ガンメンのメンバー
ディーン・ハグランド - リチャード・ラングリー（落合弘治）、ローン・ガンメンのメンバー
ウィリアム・B・デイヴィス - シガレット・スモーキング・マン（小島敏彦）
アナベス・ギッシュ - モニカ・レイエス（佐々木優子）
シーラ・ラーケン - マーガレット・スカリー、ダナの母親（火野カチコ）

各話ゲスト

第1話
ジョエル・マクヘイル - タッド・オマリー（鈴木正和）
アネット・マヘンドル - スヴェタ（皆瀬まりか）
アリザ・ヴェラーニ - サンディープ看護師
ヒロ・カナガワ - ガーナー

第2話
ダグ・サヴァント - オーガスタス・ゴールドマン（高岡瓶々）
レベッカ・ウィソッキー - ジャッキー・ゴールドマン
ジョナサン・ホワイトセル - ジャニトール、カイル（青木崇）
オマリ・ニュートン - ロジャース
クリス・ローガン - サンジェイ博士（山田浩貴）
ニコライ・ウィッチェル - ヒル博士
アリソン・ワンドズラ - シンシア
アーロン・ダグラス - リンドクィスト
ヴィク・サヘイ - グプタ
ライアン・ロビンズ - マーフィー
クリスティーン・ウィリス - メアリー
ケイシー・ロール - アグネス
ミーガン・ペタ・ヒル - モリー（木下紗華）

第3話
リス・ダービー - ガイ・マン（島田敏）
クメイル・ナンジアニ - パシャ（渡辺一茂）
リチャード・ニューマン - ルマノヴィッチ博士
シャンゲラ・ワドリー - アナベル
タイラー・ラビーン - 怪物の目撃者

第4話
ティム・アームストロング - トラッシュマン（松本大）
ダリル・シャトルワース - ダリル・ランドリー（楠見尚己）
ペギー・ジョー・ジェイコブズ - ハフ看護師（日野由利加）
アレッサンドロ・ジュリアーニ - ジョゼフ・カトラー（小室正幸）
クリス・シールズ - ドロス刑事
ゲイリー・セコン - 検視官
サチン・サヘル - ジャック・バッド
ヴィーナ・スード - ルイーズ・コルキット医師
ジャネン・カー - タリー看護師

第5話
ローレン・アンブローズ - リズ・アインシュタイン捜査官（甲斐田裕子）
ロビー・アメル - カイド・ミラー捜査官（川島得愛）
エリック・ブレカー - ブレム特別捜査官
スティーヴン・ロボ - スーツ姿の男性#1
シェイン・ジョーンズ - スーツ姿の男性#2
ジャネット・キダー - 看護師
アーティン・ジョン - シラズ
ニーラ・ナイエビ - ノーラ
ゲイリー・チョーク - マッド・ドッグ
マーシー・T・ハウス - 怒った女性

第6話
ローレン・アンブローズ - リズ・アインシュタイン捜査官（甲斐田裕子）
ロビー・アメル - カイド・ミラー捜査官（川島得愛）
ジョエル・マクヘイル - タッド・オマリー（鈴木正和）
アリザ・ヴェラーニ - サンディープ看護師
ジュリアン・クリストファー - オスカー・グリフィス医師

各話タイトル・あらすじ

第1話「闘争 Part.1」

モルダーは自身のX-ファイル捜査を振り返り、政府とエイリアンの陰謀に立ち向かった過去を語ります。2002年のX-ファイル課閉鎖後、陰謀の解明は不可能になったかに思われましたが、インターネットニュース司会者のタッド・オマリーが驚くべき政府の陰謀を暴露し、モルダーとスカリーは再び事件に関わることになります。エイリアンに誘拐されたと主張する女性スヴェータの証言から、新たな陰謀の存在が明らかになります。

第2話「変異」

ヌージェニクス・テクノロジーのサンジェイ博士が奇妙な死を遂げ、モルダーとスカリーが捜査を開始します。博士は死の直前に謎のノイズ音を聞いており、その原因を突き止める中で、ヌージェニクス・テクノロジーの背後に隠された陰謀が浮上します。国防総省も絡む複雑な事件に、モルダーとスカリーは翻弄されます。

第3話「トカゲ男の憂鬱」

オレゴン州の森林地帯で、喉を裂かれた死体が発見され、爬虫類型人間らしき目撃情報が相次ぎます。モルダーとスカリーはUMAの存在を疑いますが、科学的立場から真相を究明しようとするモルダーと、長年の相棒であるスカリーとの間に、新たなずれが生じます。トカゲ男の正体を追う中で、衝撃の事実が明らかになります。

第4話「バンドエイド・ノーズ・マン」

夜遅くまで勤務していた市の職員が殺され、モルダーとスカリーが捜査に協力します。スカリーは母親が心臓発作で入院したことを知り、病院へ急行。母親の延命拒否の決定や、音信不通の息子の存在が明らかになり、スカリーは動揺します。都市伝説のモンスターを追う中で、母親の最期の言葉の意味を見出します。

第5話「バビロン」

テキサス州で起きた自爆テロ事件を捜査するため、モルダーとスカリーは若き日の自分たちを彷彿とさせるミラー捜査官とアインシュタイン捜査官と出会います。モルダーはテロリストの意識に潜り込むため、幻覚剤を用いてトランス状態に入ります。一方、スカリーはミラー捜査官と協力し、テロリストとの意思疎通を試みます。

第6話「闘争 Part.2」

モルダーの失踪から6週間後、スカリーは彼の行方を追います。アメリカ中で免疫不全患者が続出し、混乱に陥る中、スカリーは治療法を模索。モニカ・レイエスから衝撃の事実を聞かされ、人類滅亡の危機に立ち向かいます。モルダーは実の父親であり、事件の黒幕であるシガレット・スモーキング・マンと対峙します。

製作

FOXは2015年1月に『X-ファイル』のリブートを検討し始め、デイヴィッド・ドゥカヴニーとジリアン・アンダーソンの出演を望んでいましたが、両名とも多忙なため、スケジュール調整が難航。最終的に全6話のミニシリーズとして制作されることが決定しました。また、クリス・カーターは当初全7話の構成を予定していましたが、スケジュールの都合上、7話目は制作されませんでした。

撮影はカナダのバンクーバーで行われ、放送順序はより良い流れにするために調整されました。スカリーを演じるアンダーソンは、役作りのために髪を赤色に染める代わりに、かつらを着用していました。

マーケティング

FOXは、ファースト・トレイラーを公開し、様々なプロモーション活動を展開。コミコンでの先行上映や、「The Truth Is Still Out There」などのキャッチコピーを使用し、ファンを盛り上げました。さらに、メイキング映像や、各話の内容の一部を公開し、期待を高めました。

評価

第1話

アーリーレビューでは酷評され、「視聴者がどこに魅力を感じていたのかを忘れてしまった」などの厳しい意見が見られました。特に、ノスタルジアに浸ったドラマに思えるという批判や、エイリアンの入植と情報化社会を結び付けようとする試みに対して、こじつけに見えるという意見がありました。

第2話

第2話は批評家から好意的に評価され、シリーズのミソロジー要素と現代的な要素が融合している点や、登場人物たちの会話が魅力的に描かれている点などが評価されました。第1話と比較して出来が良いという意見も多く見られました。

スピンオフの可能性

FOXは、ローレン・アンブローズ演じるアインシュタイン捜査官とロビー・アメル演じるミラー捜査官を主人公としたスピンオフドラマの制作を検討しているという報道がありましたが、FOXはコメントしていません。

脚注

注釈と出典、外部リンクについては、元の情報をご参照ください。

この復活版『X-ファイル』シーズン10は、ファンにとって待望の作品であり、その内容や評価は賛否両論ありましたが、モルダーとスカリーの物語が再び描かれたことは、シリーズの歴史において重要な出来事でした。

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