XB-33 (航空機)

XB-33スーパーマローダー：開発の経緯と仕様

XB-33（Martin XB-33 Super Marauder）は、アメリカの航空機メーカーとして名高いマーチン社が開発を試みた爆撃機です。この機体の社内コードはModel 190で、愛称はスーパーマローダー（超略奪者）として知られています。本来、同じくマーチン社が量産した中型爆撃機B-26マローダーの派生型として計画されましたが、最終的には開発が中止されました。

XB-33計画の初期デザイン

XB-33の最初の設計案では、ライト社製のR-3350レシプロエンジンを搭載した双発の中型爆撃機として計画され、2枚の垂直尾翼を持つ構造でした。機体は加圧される設計となっており、1940年から開発が進められていました。当初は約4,000ポンド（約1,800キログラム）の爆弾を搭載できることを目指していましたが、双発機としての設計はしばらくして見直されることとなりました。

初期仕様

• - 全長: 71 ft 0 in (22 m)
• - 全幅: 100 ft 0 in (30 m)
• - 高さ: 22 ft 6 in (6.86 m)
• - エンジン: ライト R-3350 空冷星型エンジン 1,800馬力 (1,300 kW)

XB-33A計画の再構築

双発機案では軍の要求する性能を達成することが難しいことが判明し、計画は大きく見直されることになりました。そこで、搭載エンジンを4発に増やし、機体デザインも大幅に変更することが決定されました。再設計された機体は、他の制式爆撃機と同等のサイズで、爆弾搭載量は12,000ポンドに増強されました。1942年1月17日には、試作機を2機製造する契約を受け、XB-33Aとしての製造が計画されました。

XB-33Aの新しい仕様

• - 全長: 24.3 m
• - 全幅: 40.8 m
• - 高さ: 7.32 m
• - 翼面積: 153 m2
• - 空虚重量: 39,000 kg
• - 最大離陸重量: 43,000 kg
• - エンジン: ライト R-2600-15を4発
• - 馬力: 1,800 hp x 4
• - 最大速度: 555 km/h
• - 巡航速度: 389 km/h
• - 航続距離: 3,000 km
• - 最大上昇高度: 12,000 m
• - 武装: 12.7 mm M2 ブローニング機関銃 8丁
• - 搭載爆弾: 10,000 lb (4,500 kg)

開発の終焉

再設計されたXB-33Aは、本来のショート期間にR-2600エンジンを使用する計画だったのですが、B-29に優先してR-3350が使用されることとなったため、製造は実現しませんでした。1942年11月25日、最終的に計画はキャンセルされ、マーチン社の初の4発爆撃機は夢のままとなりました。その後、マーチンのオマハ工場ではボーイング社のB-29のライセンス生産が行われることになり、XB-33Aの存在は歴史の中に埋もれることになりました。

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