XENON -夢幻の肢体-

XENON -夢幻の肢体- について

『XENON -夢幻の肢体-』（ゼノン むげんのしたい）は、かつてシーズウェアから発売された18禁アドベンチャーゲームです。本作は、マルチエンド方式を採用しており、プレイヤーの選択によって物語が大きく変化するのが特徴です。

ストーリーとエンディング

本作には、「DREAM_〇」とナンバリングされた7種類のエンディングが用意されています。初回プレイでは「DREAM_1」に固定されていますが、2周目以降は「DREAM_2」と「DREAM_3」、そして「DREAM_3」から分岐する「DREAM_4」から「DREAM_6」までのルートが解放されます。

「DREAM_2」と「DREAM_3」は、それぞれ異なる時代の2人の主人公による物語であり、互いのストーリーが影響し合うという特徴があります。これは、同社の過去作品である『DESIRE』と同様の構成です。また、「DREAM_1」から「DREAM_3」のエンディングを迎えることで、隠しルートである「DREAM_∞」が解放されます。「DREAM_∞」は、「肉奴隷　トレーシーの憂鬱」というサブタイトルのエロティックな短編シナリオで、本編の登場人物であるトレーシーが主人公となっています。

これらのストーリーに登場する人物は共通していますが、ルートによっては性格や役割が大きく異なる点も特徴の一つです。

あらすじ

主人公である宏治は、3か月間の契約で医療センターにて精神分析のサンプル提供のアルバイトをしていました。しかし、最近は悪夢にうなされるようになり、記憶が曖昧になっていくことに悩んでいます。物語は、宏治の抱える不安と謎を中心に展開していきます。

登場人物

宏治: 本作の主人公。精神分析のアルバイトをしている。
トレイシー: 落ち着いた性格の女性。
ビアンカ:
ファル: 人間の感情を色として見ることができる能力を持った少女。本名はファルネリア。
ランファ:
恵: 宏治の恋人で、彼にアルバイトを勧めた人物。
沙夜香:
涼子: 女医。
舞:

開発の背景

シナリオライターである菅野ひろゆき氏は、『DESIRE』の時点でマルチサイトシステムの構想を持っていました。しかし、同作品のマコト編がお色気重視のストーリーに改変されたことを悔しく思っており、『かまいたちの夜』のようなマルチエンド方式にして、そのうちの一つをエロくすればよいのではないかと考え、本作を制作したとされています。

高見龍氏は、本作について「選択肢によってエンディングが大きく変わる点においては『弟切草』に近いが、システムの作り方は『かまいたちの夜』に近く、同作における『ピンクのしおり』をやりたかったのではないか」と分析しています。また、不可解な現象を哲学的に考察する点において、『ソラリスの陽のもとに』といったロシアのSF作品のような作風であるとも述べています。

音楽

本作の音楽は、梅本竜氏がYM2203という音源チップを用いて制作しました。短い開発期間の中、梅本氏は「映画のサウンドトラックとゲーム音楽の融合」というコンセプトのもとで作曲に取り組んだとのことです。

2008年には、EGG MUSIC RECORDSから2枚組アルバム「梅本竜RARE TRACKS Vol.3 『XENON “THE ORIGIN”』」が発売されました。Disc AにはYM2203の音源を用いた楽曲が、Disc BにはYM3438の音源を用いた楽曲とボーナストラックが収録されています。

外部リンク

XENON -夢幻の肢体- - ウェイバックマシン（1997年7月6日アーカイブ分）
XENON -夢幻の肢体-（Windows95版） - ウェイバックマシン（1997年12月11日アーカイブ分）
XENON -夢幻の肢体-（英語） - MobyGames

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