XP-81 (航空機)

XP-81：コンベア社の試作戦闘機

XP-81は、アメリカ合衆国のコンベア社によって開発された戦闘機で、戦略爆撃機の護衛を目的に設計されました。しかし、この機体は試作機がわずか2機のみ製造され、正式に採用されることはありませんでした。

背景と開発の過程

第二次世界大戦中、アメリカ陸軍航空軍は長距離単座戦闘機の開発を求めていました。コンベア社はその要求に応えるかたちで、ターボジェットエンジンとターボプロップエンジンを併用した混合動力機を提案しました。このモデルは1943年9月に「モデル109」として発表され、その後、1944年2月にXP-81の試作機の発注を受けました。

XP-81のデザインは、従来のレシプロ機と似たスタイルが採用されており、直線的な翼形状と低翼配置の主翼を特徴としています。機体は双発式となっており、機首にはターボプロップエンジン、尾部にはターボジェットエンジンが取り付けられました。この設計は、燃料消費が大きいジェットエンジンを離着陸や戦闘時にのみ使用するというもので、長距離任務に対応する意図がありました。

技術的な特長

XP-81は、機内に搭載できる燃料タンクの容量が3,070リットルに達し、おまけに2つの増槽も備えることが可能です。これにより、最大で4,000kmの航続距離を持つ性能を目指していました。初号機はV-1650-7レシプロエンジンとJ-33ジェットエンジンの組み合わせを持ち、1945年1月に初飛行を果たしました。この試験中には740km/hの高速性能を記録し、その基本的な性能が確認されました。

1945年8月には、第二次世界大戦が終了し、XP-81の採用の見込みがほぼ消えましたが、飛行試験は続行されました。その後、12月21日にはXT31ターボプロップエンジンを搭載した試作機も初飛行しました。しかし、1947年1月には2号機も初飛行しましたが、当初の計画では2,400馬力を発揮するはずのXT31エンジンの出力は1,400馬力程度に留まり、戦闘機開発の終了と共にプログラムは1947年9月に中止されました。

仕様

• - 全長: 13.61m
• - 全幅: 15.39m
• - 全高: 4.11m
• - エンジン:

- XT31ターボプロップエンジン（推定出力：2,400馬力、実質出力：1,400馬力）
- J33-GE-5ターボジェットエンジン（推力：1,700kg）

• - 最大速度: 816km/h（計画値）
• - 航続距離: 4,000km
• - 乗員: 1名
• - 武装（計画）: 20mm機銃6門、最大1,450kgの爆弾

XP-81は状況の変化により実用化には至りませんでしたが、戦闘機の技術革新に寄与した重要な試作機の一つとなりました。

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