XSL Formatter
Antenna House Formatter（AH Formatter）は、株式会社アンテナハウスが開発・販売している、XMLドキュメントの自動組版ソフトウェアです。このソフトウェアは、XMLやHTML形式のデータを入力として受け取り、PDF、SVG、INX、MIF、XPS、テキスト形式、さらにはMicrosoft Word形式といった多様なファイル形式で出力することができます。
レイアウトの指定には、W3C（World Wide Web Consortium）によって勧告されたXSL（Extensible Stylesheet Language）のVersion 1.1とCSS（Cascading Style Sheets）を利用できます。XSLは、XML文書の構造を変換・整形するための言語であり、特にXSL-FO（XSL Formatting Objects）は、印刷物のような固定レイアウトを記述するのに用いられます。CSSは、主にWebページのスタイルを定義するために使われる言語ですが、AH Formatterでは、このCSSも印刷物向けレイアウトの指定に活用されています。
W3CがSGML（Standard Generalized Markup Language）を基にXMLを策定した1998年以降、SGML時代のレイアウト指定言語であったDSSSL（Document Style Semantics and Specification Language）に代わるものとして、XSL-FOが策定されました。XML文書をXSL-FOに変換するためには、XSLT（XSL Transformations）のスタイルシートが用いられます。アンテナハウスのウェブサイトでは、スタイルシートの作成方法に関するドキュメントや、オープンソースのスタイルシートが公開されており、ユーザーが効率的に組版作業を行うためのサポートが提供されています。
CSSは、もともとHTMLをブラウザで表示するためのレイアウト仕様として誕生しました。Webページは、基本的に情報の単位として扱われ、紙媒体のようなページの概念を持っていません。そのため、CSS 2.1には印刷媒体向けのレイアウトを指定する機能がありませんでした。しかし、CSSレベル3の一部として、ページメディアのためのCSS Paged Media Moduleが提案されており、AH Formatterの製品の一つであるAH CSS Formatterは、このモジュールに対応しています。
AH Formatterの歴史は、2000年11月にXSL-FOによるレイアウト指定のみに対応した「XSL Formatter V1.0」のリリースから始まりました。その後、2001年4月には、英語版の「XSL Formatter V1.1E」がリリースされ、欧米市場での販売が開始されました。2009年3月には、CSSによるレイアウト指定にも対応し、製品名が「Antenna House Formatter V5.0」に変更されました。現在では、XSL-FOに対応する「AH XSL Formatter」とCSSのみに対応する「AH CSS Formatter」が個別に提供されています。
XSL-FO組版ソフトウェアのユーザーは、SGMLシステムからの移行組が多く、特に航空機や自動車の整備マニュアル、政府関係の文書など、膨大なページ数の組版を行うユーザーに利用されています。例えば、アメリカ合衆国の内国歳入庁（日本の国税庁に相当）では、納税ガイドなどの自動組版にAH XSL Formatterが利用されています。また、JATS（Journal Article Tag Suite）、DITA（Darwin Information Typing Architecture）、DocBook XMLなどの形式からPDFを生成する際にも利用されています。さらに、米国のO'Reilly社では、CSS組版を書籍作成に採用しています。
AH Formatterは、MathML（Mathematical Markup Language）、SVG、Microsoft Excelのチャート、各種画像形式のデータを取り込んで組版することができます。また、50ヶ国語のハイフネーション機能を内蔵しており、英語を含む主要な西欧言語のハイフネーションに対応しています。さらに、アラビア語やヘブライ語のような右から左に記述する言語や、タイ語のように複数の文字コードで一つの文字を組み立てる言語の組版にも対応しており、多国籍市場向けの製品マニュアルの組版にも広く利用されています。Markdown形式のファイルからPDFレポートを作成する例も存在します。
この文章は、Antenna House Formatterの公式情報をもとに作成されました。
Antenna House Formatter
Antenna House Formatter（英文）
レイアウトの指定には、W3C（World Wide Web Consortium）によって勧告されたXSL（Extensible Stylesheet Language）のVersion 1.1とCSS（Cascading Style Sheets）を利用できます。XSLは、XML文書の構造を変換・整形するための言語であり、特にXSL-FO（XSL Formatting Objects）は、印刷物のような固定レイアウトを記述するのに用いられます。CSSは、主にWebページのスタイルを定義するために使われる言語ですが、AH Formatterでは、このCSSも印刷物向けレイアウトの指定に活用されています。
W3CがSGML（Standard Generalized Markup Language）を基にXMLを策定した1998年以降、SGML時代のレイアウト指定言語であったDSSSL（Document Style Semantics and Specification Language）に代わるものとして、XSL-FOが策定されました。XML文書をXSL-FOに変換するためには、XSLT（XSL Transformations）のスタイルシートが用いられます。アンテナハウスのウェブサイトでは、スタイルシートの作成方法に関するドキュメントや、オープンソースのスタイルシートが公開されており、ユーザーが効率的に組版作業を行うためのサポートが提供されています。
CSSは、もともとHTMLをブラウザで表示するためのレイアウト仕様として誕生しました。Webページは、基本的に情報の単位として扱われ、紙媒体のようなページの概念を持っていません。そのため、CSS 2.1には印刷媒体向けのレイアウトを指定する機能がありませんでした。しかし、CSSレベル3の一部として、ページメディアのためのCSS Paged Media Moduleが提案されており、AH Formatterの製品の一つであるAH CSS Formatterは、このモジュールに対応しています。
歴史
AH Formatterの歴史は、2000年11月にXSL-FOによるレイアウト指定のみに対応した「XSL Formatter V1.0」のリリースから始まりました。その後、2001年4月には、英語版の「XSL Formatter V1.1E」がリリースされ、欧米市場での販売が開始されました。2009年3月には、CSSによるレイアウト指定にも対応し、製品名が「Antenna House Formatter V5.0」に変更されました。現在では、XSL-FOに対応する「AH XSL Formatter」とCSSのみに対応する「AH CSS Formatter」が個別に提供されています。
利用状況
XSL-FO組版ソフトウェアのユーザーは、SGMLシステムからの移行組が多く、特に航空機や自動車の整備マニュアル、政府関係の文書など、膨大なページ数の組版を行うユーザーに利用されています。例えば、アメリカ合衆国の内国歳入庁（日本の国税庁に相当）では、納税ガイドなどの自動組版にAH XSL Formatterが利用されています。また、JATS（Journal Article Tag Suite）、DITA（Darwin Information Typing Architecture）、DocBook XMLなどの形式からPDFを生成する際にも利用されています。さらに、米国のO'Reilly社では、CSS組版を書籍作成に採用しています。
AH Formatterは、MathML（Mathematical Markup Language）、SVG、Microsoft Excelのチャート、各種画像形式のデータを取り込んで組版することができます。また、50ヶ国語のハイフネーション機能を内蔵しており、英語を含む主要な西欧言語のハイフネーションに対応しています。さらに、アラビア語やヘブライ語のような右から左に記述する言語や、タイ語のように複数の文字コードで一つの文字を組み立てる言語の組版にも対応しており、多国籍市場向けの製品マニュアルの組版にも広く利用されています。Markdown形式のファイルからPDFレポートを作成する例も存在します。
脚注
この文章は、Antenna House Formatterの公式情報をもとに作成されました。
外部リンク
Antenna House Formatter
Antenna House Formatter（英文）
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