Xming

Xmingは、Microsoft Windows環境で利用できるX Window Systemの実装です。X.Org Serverをベースとしており、Cygwin版のCygwin/X (Xwin) にパッチを適用し、MinGWやPthreads-Win32を用いてクロスコンパイルされています。Cygwin/XはCygwin環境が必要ですが、Xmingは単独で動作し、実行時の依存関係がありません。他のX.Org Serverと同様に、Mesa 3D、OpenGL、GLXといった3次元グラフィックス機能もサポートしており、高度なグラフィカルアプリケーションをWindows上で利用することが可能です。

さらに、XmingはSSH実装と連携することで、UNIXマシンからX11セッションを安全にフォワードできます。PuTTYとssh.exeに対応しており、パッケージにはPuTTYのplink.exeも同梱されています。これにより、リモートのUNIX環境で動作するXアプリケーションを、Windowsのデスクトップ環境で表示・操作することが可能となり、開発やシステム管理の効率を大幅に向上させます。

ライセンスについては、ソースコードは公開されていますが、2007年5月以降、コンパイル済みのバイナリを入手するには、個人利用の場合は£10以上の寄付、営利組織の場合は有償購入が必要になりました。ただし、寄付が開始される前の最終バージョンである6.9.0.31は、Sourceforgeでパブリックドメインとして配布され続けています。

Xmingは、以下に示す5つの表示モードをサポートしています。最初の3つはCygwin/Xと同じモードです。

シングルウィンドウ: X11のルートウィンドウが、Windowsの1つの枠付きウィンドウとして表示されます。これは、Xアプリケーション全体が単一のWindowsウィンドウ内で動作する形式です。
マルチウィンドウ: X11のトップレベルウィンドウが、それぞれ独立したWindowsの枠付きウィンドウとして表示されます。各Xアプリケーションが個別のウィンドウとして扱われ、Windowsのウィンドウ管理機能が利用できます。
ルートレス: Windowsの枠付きウィンドウを使用せず、X11のルートウィンドウがオーバーレイ表示されます。これにより、X11側のウィンドウマネージャを使用できます。このモードでは、よりX Window System本来の操作感に近い環境で利用できます。
タイトルバーなしシングルウィンドウ: シングルウィンドウモードから、Windowsのタイトルバーを非表示にしたものです。画面をより広く利用したい場合に便利です。
* フルスクリーン: シングルウィンドウモードをフルスクリーンで表示し、Windowsのタスクバーも非表示にします。これにより、Xアプリケーションを最大限に表示できます。

参照

公式ウェブサイト

Sourceforge development site

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