YF-17 (航空機)

YF-17（Cobra）について

YF-17は、アメリカ空軍が1971年に開始した軽量戦闘機計画に基づき、ノースロップによって設計された試作戦闘機です。愛称として「コブラ」と呼ばれ、アメリカ海軍の要求に応える形で改良され、最終的にはF/A-18 ホーネットとして実用化されることとなりました。

開発の背景

軽量戦闘機計画は、空軍が高額な機体の運用で悩む中で、安価で運用しやすい戦闘機の開発を目的としていました。ノースロップは既にF-5などの小型戦闘機の開発経験があり、軽量戦闘機計画にはP-600型案を提案しました。1972年には開発契約が締結され、YF-17Aとして試作機が製造されました。

試作機は、288回の飛行試験を経て性能が評価されましたが、その後、空軍は必要とする能力に基づき単発機のYF-16Aを採用することになり、YF-17Aはアメリカ海軍で艦上機としての適合性が注目されることとなりました。

機体の特徴

YF-17Aは双発のジェット戦闘機で、2基のゼネラル・エレクトリック YJ101-GE-100エンジンを搭載しています。このエンジンは独特のコンティニュアス・ブリード方式を採用し、低いバイパス比を持ちます。機体の空気力学的な設計には、エリアルールに基づく両主翼下のエアインテイクと、機体末端に位置するノズルが含まれています。

また、可変翼型の主翼は小さな後退角を持ち、優れた運動性と離着陸性能を実現していますが、その一方で空気抵抗の増加が課題となっていました。このようなデザインは、F-5から得た経験を生かしたものであり、主翼の付け根には飛行中の境界層を制御するための長い溝が設けられています。さらに、翼端にはサイドワインダーミサイルのランチャーレールが装備されていました。

海軍への適応

YF-17Aは空軍の空戦能力要件ではコストと加速性能の面で不利とされ、最終的に不採用となりますが、中小規模の航空母艦で運用する艦上機としての適正が評価され、アメリカ海軍においてF/A-18戦闘機への改良が進められました。F/A-18では、エンジンも改良され、YJ101から発展したF404エンジンが搭載され、バイパス比が向上しています。

要目

• - 全長: 16.91 m
• - 全高: 4.41 m
• - 全幅: 10.66 m
• - エンジン: YJ101-GE-100エンジン（推力 6.8t）×2
• - 自重: 9.5 t
• - 乗員: 1名
• - 最大速度: 2,120 km/h
• - 武装: M61 20 mm機関砲 1門、空対空ミサイル 2発

YF-17は空軍の軽量戦闘機計画の一端を担いながら、最終的には海軍の中核戦闘機として位置づけられたことから、航空機開発の歴史的意義を持った機体であると言えるでしょう。この機体の設計思想は、後のF/A-18戦闘機に色濃く受け継がれています。

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