YKベーキングカンパニー

株式会社YKベーキングカンパニー

株式会社YKベーキングカンパニー（ワイケーベーキングカンパニー、YK Baking Company Co., Ltd.）は、大阪府大阪市東淀川区に本社を構える食品製造販売および配送を手掛ける企業です。主に包装されたパンやデリカ食品の製造と販売を行い、これらの製品の配送事業も展開しています。日本の製パン業界大手である山崎製パン株式会社の100パーセント出資による完全子会社として運営されています。

設立の背景と経緯

YKベーキングカンパニーの設立は、長年にわたり包装パンおよびデリカ食品事業を主軸としてきた株式会社神戸屋の事業再編という、日本の食品業界における大きな動きに端を発します。

神戸屋は、国内の人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化を見据え、将来的な事業の方向性について深く検討を進めました。その結果、今後は冷凍パン事業と、店舗での焼き立てパンやレストラン事業（いわゆるフレッシュベーカリー・レストラン事業）に経営資源を集中することを決定しました。

この戦略変更に伴い、主力の包装パンおよびデリカ食品の製造販売事業を他社へ譲渡する方針を固め、山崎製パン株式会社に事業譲渡の可能性を打診しました。両社間の協議が進み、2022年8月26日には事業譲渡に関する正式な契約が締結されました。この契約には、神戸屋が新たに設立する会社へ該当事業を吸収分割方式で承継させた後、その新設会社の全株式を山崎製パンが取得するという内容が含まれていました。また、一定期間（具体的には2年間）は包装パン製品において「神戸屋」ブランドを引き続き使用できるという取り決めも同時に行われました。

この契約に基づき、神戸屋は2022年10月12日に譲受事業を承継する新会社として、株式会社YKベーキングカンパニーを設立しました。そして、2023年2月1日付で、吸収分割という手法により、神戸屋から包装パンおよびデリカ食品に関する全ての製造販売事業を正式に譲り受けました。この事業譲受には、関連する子会社の事業継承と商号変更、さらには包装パンの工場直売事業の引き継ぎも含まれています。

山崎製パンの子会社化と事業展開

事業譲受が完了した後の2023年3月31日、神戸屋が保有していたYKベーキングカンパニーの全株式が山崎製パン株式会社に譲渡されました。これにより、YKベーキングカンパニーは法的に山崎製パンの完全子会社となり、神戸屋グループからは独立した形となりました。山崎製パンがYKベーキングカンパニーを完全子会社化した背景には、特に手薄であった関西地域における生産体制を強化し、市場シェアを拡大するという戦略的な狙いがあります。

事業譲渡後の変化

YKベーキングカンパニーは、事業を承継する際に神戸屋がかつて本社として使用していた建物および工場をそのまま本社所在地として利用することになりました。これに伴い、旧本社建物をYKベーキングカンパニーに譲った神戸屋は、本社機能を大阪府豊中市に移転しています。

製品ブランドに関しては、事業譲渡後も消費者の混乱を避けるため、一定期間は「神戸屋」ブランド名での販売が続けられました。しかし、2023年11月頃からは、順次、製品パッケージなどがYKベーキングカンパニー独自のブランドへと切り替えられる取り組みが進められています。

主な事業所

本社・東淀工場（大阪府大阪市東淀川区豊新2丁目16-14）
寝屋川工場（大阪府寝屋川市点野2丁目5-2）
海老名工場（神奈川県海老名市杉久保南1丁目2-1）
東京工場（埼玉県戸田市川岸1丁目2-36）

主な子会社

株式会社YKマルト
株式会社YKタイヨー
株式会社YKマツヤ
株式会社YK浜松デリカ
株式会社YKロジスティックス

沿革

2022年10月12日 - 会社設立。
2023年2月1日 - 株式会社神戸屋より、包装パン・デリカ食品の製造販売事業を吸収分割により譲受。
2023年3月31日 - 株式譲渡により、山崎製パン株式会社の完全子会社となる。

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