Yii

Yiiフレームワークについて



Yii（イー）は、PHPで記述されたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。オブジェクト指向、コンポーネントベース、そしてMVC（Model-View-Controller）アーキテクチャを採用しており、効率的で拡張性の高いWebアプリケーションの開発を可能にします。名前の由来は、「簡単（Easy）」「効率的（Efficient）」「拡張性（Extensible）」の頭文字、そして「Yes It Is!」という言葉からきています。

歴史



Yiiプロジェクトは、2008年にPRADOフレームワークの開発者であったQiang Xue氏によって開始されました。PRADOの課題を克服し、よりシンプルで高速、そして拡張性の高いフレームワークを目指した結果、Yiiが誕生しました。最初のα版は2008年10月に公開され、同年12月3日にYii 1.0が正式にリリースされました。

特徴



  • - コンポーネントベース: 再利用可能なコンポーネントを組み合わせることで、効率的な開発が可能です。
  • - MVCアーキテクチャ: 画面表示とロジックを分離し、保守性と拡張性を高めます。
  • - オブジェクト指向: 徹底したオブジェクト指向設計により、コードの再利用性と可読性を向上させます。
  • - 軽量かつ高速: MemcacheやAPCなどのキャッシュ機構に対応し、高負荷なアプリケーションにも対応できます。
  • - PHP5以上対応: PHP5だけでなく、PHP7でも動作し、マイナーアップデートで互換性を維持しています。
  • - 地域的な人気: ロシア、ウクライナ、中国など旧共産圏での利用が多く、特にロシアでは最もメジャーなPHPフレームワークの一つです。
  • - 日本での利用: 他の国に比べると、日本での利用実績は少ないです。
  • - Yii3の開発: 後継バージョンであるYii3が現在開発中です。

主な機能



  • - MVCデザイン: モデル、ビュー、コントローラーによる明確な役割分担。
  • - Webサービス: 複雑なWSDLの生成とWebサービスリクエスト処理の管理。
  • - 国際化/ローカライズ: メッセージ翻訳、日付/時刻書式設定、インターフェイスの国際化に対応。
  • - キャッシング: データ、ページ、フラグメントキャッシュ、動的コンテンツなど、様々なレベルでのキャッシュをサポート。ストレージも変更可能。
  • - 例外処理とロギング: エラー発生時の例外処理、エラーメッセージ表示、ログ記録、異なる送り先へのエラー通知。
  • - セキュリティ対策: クロスサイトスクリプティングなどの脆弱性対策、クッキー改ざん防止。
  • - テスト: PHPUnitとSeleniumを使用した単体テストと機能テストのサポート。
  • - 自動コード生成: スケルトンアプリケーション、CRUDアプリケーションなどの自動コード生成。
  • - XHTML準拠: 生成されたコードはXHTML規格に準拠。
  • - サードパーティコードの統合: PEARやZend Frameworkなどの外部ライブラリの利用も可能。

バージョン履歴



（省略）

拡張機能



Yiiの拡張機能は「エクステンション」と呼ばれ、ユーザーが投稿したリポジトリから自由にダウンロードして利用できます。以前は「Zii」という公式拡張ライブラリがありましたが、コアフレームワークに統合されました。現在では、gridやjQuery UIなどの機能が標準で利用可能です。

ドキュメンテーション



Yiiの公式ドキュメントは、チュートリアル、プロパティ、メソッド、イベントなどの詳細な説明が豊富で、開発に必要な情報を網羅しています。公式ウェブサイトでは、ユーザーが投稿した仕様書も利用できます。

ライセンス



Yiiは修正BSDライセンス（3条項BSDライセンス）の下でリリースされており、商用利用を含む無料での利用が可能です。ライセンスの条件として、著作権表示、ライセンス条文、無保証の旨をドキュメントに記載する必要があります。また、公式マニュアルのテキストはGFDLの下でライセンスされており、ロゴはクリエイティブ・コモンズ表示-改変禁止3.0非移植のライセンスで提供されています。

関連項目




外部リンク



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