ZPAQ

ZPAQとは

ZPAQは、Windows、Linux、macOSで動作するオープンソースのコマンドラインアーカイバであり、ファイルフォーマットです。作者が開発したPAQの後継として位置づけられています。ZPAQは、ジャーナリング形式または追加専用形式を採用しており、データの種類や選択された圧縮レベルに応じて、重複排除などの手法を用いてデータを圧縮します。C++アプリケーションに圧縮・解凍機能を提供するlibzpaqというパブリックドメインAPIが含まれており、開発者はZPAQdというツールを用いて開発を行うことができます。

特徴

ZPAQの最大の特徴は、その非常に高い圧縮率です。従来、最も圧縮率が高いとされていたRARや7zと比較しても、さらに高い圧縮率を実現しています。また、増分バックアップ（前回バックアップからの変更点のみを更新）が可能であること、そしてロールバック機能を備えていることも大きな特徴です。

ZPAQは公式にはCUI（コマンドラインインターフェース）のみをサポートしていますが、PeaZip（日本語対応）などのフロントエンドツールを使用することで、GUI（グラフィカルユーザーインターフェース）による圧縮・展開も可能です。

また、WinRARのようなリカバリレコードは搭載されていませんが、細かくブロック分割することで、破損した部分を可能な限り復元できます。さらに、解凍時にはSHA-1ハッシュを自動でチェックする機能も備わっています。

ZPAQの仕様は公式に公開されており、開発者が規格を理解しやすくなっています。これは、オープンソースソフトウェアの開発では必ずしも仕様が公開されているとは限らないため、特筆すべき点です。

歴史

ZPAQは以下のバージョンを経て進化してきました。

v1.00 (2009年3月12日): 初版リリース
v3.00 (2011年7月16日): v2.05とzp v1.03の機能を統合
v4.00 (2011年11月13日): b, eコマンド、および-jオプションを削除
v5.00 (2012年8月27日): libzpaqをv6.00aに更新し、ZPAQLコンパイラーを組み込み
v6.00 (2012年9月26日): ジャーナリング、増分更新、重複排除機能を追加し、大規模バックアップをサポート。4つの圧縮レベルとv5.00の全機能を含む
v6.27 (2013年6月11日): zpaq6.27からzpaqdを分離
v7.00 (2015年1月30日): libzpaqに圧縮方法を追加。一部オプションを削除し、-toやextract -allを追加
v7.15 (2016年8月17日): libzpaqの誤ったJITアセンブリを修正。Macでの「make install」を修正

関連項目

PeaZip

外部リンク

ZPAQ公式サイト (ZPAQに関する情報は、ほぼこの公式サイトで網羅できます)
github
PeaZipプロジェクト日本語トップページ (ZPAQによる圧縮・展開が可能なGUIフロントエンドファイルアーカイバ)

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