Almagest -Overture-

『Almagest -Overture-』：広大な宇宙を舞台にした戦略シミュレーションゲーム

『Almagest -Overture-』は、ソフトサークルSerendipityが開発した、フリーでプレイ可能なターン制戦略シミュレーションゲームです。恒星間移民が盛んな未来を舞台に、プレイヤーは複数の勢力から一つを選び、宇宙規模の戦いを繰り広げます。

物語：イリアスの悲劇と続く抗争

ゲームは、アルファケンタウリ星系の惑星イリアスが地球統一連邦への独立を宣言し、連邦による残虐な攻撃でイリアスの住民の大多数が犠牲になった「イリアスの悲劇」から始まります。この悲劇は、各地の植民惑星における反連邦感情の増幅を招き、セレスタイト星系での「ファンロン事件」へと繋がります。この事件は、連邦軍の惑星占拠と新共和国の樹立という新たな紛争の火種となりました。その後、独立運動が銀河系全域に拡大し、星刻歴522年、プレイヤーは混沌とした銀河系で勢力拡大を目指します。

ゲームシステム：内政、外交、そして宇宙戦闘

プレイヤーは、セレスティア共和国など複数の星間国家から一つを選び、銀河統一または全勢力との同盟による戦争終結を目指します。ゲームは、内政と外交を行う戦略フェイズと、宇宙艦隊による戦闘フェイズを繰り返して進行します。「イリアス宣言」と呼ばれる条約により、惑星への直接攻撃は禁止されていますが、防衛衛星の破壊によって惑星を制圧することができます。首都惑星の防衛衛星が破壊されると、その国家は降伏し、プレイヤー国家が降伏した場合はゲームオーバーとなります。

バージョン3.04現在、3つのメインシナリオと2つのifシナリオが存在し、登場する勢力や兵器、人物などが微妙に異なります。メインシナリオは時間軸で繋がっています。

難易度：EASY、HARD、LUNA

ゲームにはEASY、HARD、LUNAの3つの難易度が用意されています。HARDが標準的な難易度で、EASYは初心者向け、LUNAはゲームバランスを無視した上級者向けです。EASYではプレイヤー国家の収入増加、艦艇数の増加、COM（コンピュータ制御）国家の友好的な対応などの利点があります。一方、LUNAではプレイヤー国家の収入減少、兵器開発速度の低下、艦艇数の減少、COM国家の敵対的な対応など、非常に厳しい条件が課せられます。

兵器と技術開発：多様な戦略性

ゲームに登場する兵器は、架空の多国籍企業エルガレイオン社とフォルモーント社が各国に供給しています。エルガレイオン社は連邦関係国とオリンピア連合のみに技術提供を行うため、兵器の運用には差異が生じますが、「改造」システムによって艦船の性能を独自に強化できます。開発できる技術は基礎技術、共通技術、国家固有技術があり、同盟国を増やすことで開発できる技術の数も増加します。兵器開発には資金が必要で、開発率が100％に達すると開発が完了します。技術開発には、ミサイル技術、ビーム技術、レールガン技術など様々な種類があり、同じカテゴリーの技術は艦船に複数搭載できません。

宇宙空間：惑星と星系

ゲームの舞台となる銀河系には、40個の惑星（うち8個は宇宙要塞）が存在し、5つの星系（ソル、アルファケンタウリ、イザナギ、セレスタイト、ロゼッタ）に分けられています。宇宙要塞は星系間の接続点の役割を果たしており、敵対または中立国家が要塞を占領している場合、その要塞を通過できません。

国家：主義、印象値、王道値・覇道値

各国家は、保守、改革、中道、孤立、中立のいずれかの主義を持っており、同主義の国家同士は友好な関係を築きやすい傾向があります。各国は「印象値」を持ち、これは外交に影響します。また、自国にのみ設定される「王道値」と「覇道値」は、自国の国際的な印象を表します。王道値は信義を重んじる行動で、覇道値は武断的な行動で上昇します。

国家一覧：個性豊かな勢力たち

ゲームには、地球統一連邦、セレスティア共和国、フリーダムトーチ共和国、イザナミ皇国、神聖メシアン教国、オリンピア連合、ファンロン共和国、W.L.T.C.、メガリス行政区、ブラオローゼ公国、アプサラス特別区、アガスティア行政区など、多くの国家が登場します。各国家はそれぞれ独自の主義、元首、歴史、軍事的・経済的状況を持ち、プレイヤーはそれらの国家の特性を理解して戦略を立てなければなりません。

シナリオ：多様な物語

ゲームには、星刻歴522年第10期を舞台とした「投じられた小石」、523年第3期を舞台とした「ゴルディオンの結び目」、522年第1期を舞台とした「天青の黎明」、そして2つのifシナリオ「オッカムの剃刀」と「地には平和を」があります。各シナリオでは、登場する勢力や状況が異なり、プレイヤーは異なる戦略を選択する必要があります。

開発と評価

ゲームは、作者むつきみかつ氏によって開発されました。Vectorや窓の杜といったサイトで高い評価を受けており、特にキャラクターの個性や多様な遊び方が評価されています。続編『Almagest II』の開発も発表されています。

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