Blast

blastは、かつてシンコー・ミュージック・エンタテイメントから発行されていた、日本を代表するヒップホップ専門の音楽雑誌です。月刊誌として毎月15日に発売されていましたが、2007年5月号をもって休刊となりました。

この雑誌は、当初『FRONT』という誌名で『CROSSBEAT』の増刊として1994年10月15日に創刊されました。季刊から隔月刊へと発行ペースを上げ、その後、独立創刊と同時に月刊化されるのに合わせて、1999年1月号より『blast』に誌名を変更しました。この名称変更には、同名の他雑誌との商標権問題が背景にあったとされています。

創刊から休刊まで、blastは日本で唯一のヒップホップ専門誌として、その存在感を放っていました。単に音楽記事を掲載するだけでなく、グラフィティやブレイキングといったヒップホップカルチャー全体を包括的に扱い、専門誌でありながらも、シーンにおいては総合誌としての役割を果たしていました。

最終号には、特別付録として、日本のヒップホップの未来を担うとされた5人（最終号の特集「THE FUTURE 10 OF JAPANESE HIP HOP」から選出）にDABOを加えたメンバーによるEXCLUSIVE CDが付属しました。このCDには、「未来は暗くない"THE NEXT" / Anarchy、サイプレス上野、COMA-CHI、SIMON、SEEDA Introduction by DABO」という楽曲が収録されていました。

blastでは、以下の様な連載記事が人気を博していました。

B-BOYイズム （佐々木士郎）
黒寿司 （根本敬）
田舎の大物 （前原猛）
ブラスト公論
Ken-Bo's Point Of View （DJ KEN-BO）
The World Of Buddha Brand （DEV LARGE）
No Diggity
Best Kept Secret
Please Listen To My Demo （大前至）
Time Out
Rap Bandit （小林雅明）
狩人 （郷原紀幸）

blastの制作には、以下の様な人物が深く関わっていました。

萩谷雄一
白石裕一朗
高橋芳朗
古川耕
磯部涼
一ノ木裕之
二木崇
KARL. M
石島春美
川口真紀

blastの休刊後、藤田晋氏は、個人資金を投じてヒップホップ情報サイト「Amebreak」を立ち上げ、2007年から運営を開始しました。このサイトは、2020年9月にサービスを終了しました。

blastは、日本のヒップホップシーンの発展に大きく貢献した雑誌であり、その休刊は多くの関係者やファンに惜しまれました。しかし、その影響は大きく、後続のメディアやシーンに多大な影響を与え続けています。

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