SXGP

sXGP（shared eXtended Global Platform）とは

sXGPは、日本で開発されたTD-LTE互換のコードレス電話システムであり、自営PHSの後継規格として位置づけられています。このシステムは、1.9GHz帯（1893.5MHz～1906.1MHz）の一部、具体的にはPHS帯域を利用しています。技術基準適合認定を受けた端末であれば、免許なしで利用できる点が大きな特徴です。

sXGPは、当初から自営無線通信システムを主な対象として設計されており、その技術的な枠組みはTD-LTEと共通する部分が多くあります。しかし、公衆広域無線通信システムとして開発されたXGPやAXGPとは、その目的と展開において異なっています。

sXGPの特徴

周波数帯域: sXGPは、band39に対応しています。この帯域は通常、他のLTE帯域ではLTE専用として割り当てられることが多いですが、sXGPでは公衆PHSやDECTと共有して使用します。この共有利用が「shared」の名称の由来となっています。
現状の通信速度: 2020年2月時点では、5MHzシステムの1キャリアのみが利用可能で、データスループットは下り12Mbps、上り4Mbpsにとどまっています。しかし、デジタルコードレス電話作業班において、キャリア拡張が検討されています。
ローカル5Gとの連携: sXGPは、ローカル5Gのアンカーバンドとしての利用が制度改正によって検討されています。これにより、sXGPの活用範囲がさらに広がることが期待されています。
端末の共通化: PHSやDECTとは異なり、sXGPは端末仕様（チップおよびミドルウェア）において、公衆網LTE向け端末とのシームレスな共通化（真のFMC）を実現できるというメリットがあります。このため、既存のLTE端末を活用したシステム構築が容易になります。
5Gコアとの接続: sXGPの基地局を5Gコアに接続した実証実験も行われており、将来的な5Gネットワークとの統合も視野に入れています。

まとめ

sXGPは、自営無線通信システムとして、TD-LTE技術をベースに開発されたコードレス電話システムです。既存のPHS帯域を利用しながらも、ローカル5Gとの連携や端末の共通化といった新たな可能性を秘めており、今後の展開が注目されます。

外部リンク

陸上無線通信委員会デジタルコードレス電話作業班

脚注

* 特になし

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