あべの筋

あべの筋：大阪の南北動脈を辿る

あべの筋は、大阪府大阪市阿倍野区と住吉区を南北に縦断する主要道路です。その範囲は、近鉄南大阪線と南海高野線が乗り入れる天王寺駅周辺の近鉄前交差点から、大和川に架かる遠里小野橋までを指し、大阪府道30号大阪和泉泉南線の一部を構成しています。

道路構造と整備状況

道路の幅員は、片側2車線が基本ですが、天王寺駅周辺の阪堺電気軌道上町線との併用軌道区間は約1.2kmに渡り、車線数が変化します。この区間では南行きが片側1車線、北行きが片側2車線（一部1車線）となっています。

あべの筋の起点である近鉄前交差点から松虫交差点までは、都市計画道路長柄堺線に指定されており、将来的には更なる拡幅が予定されています。すでに、起点から阿倍野交差点までの区間は、2016年12月3日に40m幅、片側3車線への拡幅工事が完了しています。この工事では、道路西側の商店等の移転を経て、北行きの車線と上町線の併用軌道が移設され、南行きの車線が2車線化、阿倍野筋一丁目周辺の歩道も拡張されました。阿倍野駅北側までは、更なる拡幅に向けた準備工事が進められていると見られます。

沿線地域の多様な魅力

あべの筋沿線には、商業、交通、医療、教育など、多様な施設が集中しています。

阿倍野区では、大阪を代表する複合商業施設であるあべのハルカス、その地下街であるあべのハルカス近鉄本店、そしてあべのキューズタウンといった大型商業施設が賑わいを見せています。さらに、近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅、Osaka Metro谷町線の阿倍野駅、天王寺駅前駅といった主要な鉄道駅も位置し、交通の要衝となっています。その他、阿倍野図書館、あべのベルタ、阿倍野警察署、清風情報工科学院といった施設も点在しています。

住吉区に入ると、大阪府立急性期・総合医療センターや大阪市立沢之町休日急病診療所といった医療機関、住吉区役所といった行政機関が立地しています。また、大阪シティバスの住吉営業所があり、多数のバス路線が運行されています。あべの橋から住吉車庫前までは62、63、64、67号系統が運行され、62号系統は大阪駅前まで延伸しています。さらに、63号系統は浅香方面、64号系統はおりおの橋方面へと運行範囲を広げています。南長居、東住吉区役所、鷹合団地などを結ぶ循環路線（54A・B・D号系統）、府立総合医療センターから杉本町駅前・苅田方面へ向かう65号系統、そして住吉車庫前から松虫を経て地下鉄住之江公園駅までを結ぶ25号系統（平日運行）など、周辺地域を網羅する充実したバス路線網が整備されています。

交通の要衝としての役割

あべの筋は、商業施設や公共施設、そして鉄道駅やバス路線とが密接に連携した、大阪市南部の重要な交通インフラとして機能しています。今後の拡幅工事を含めた整備計画によって、その役割はますます重要性を増していくでしょう。また、沿線には歴史的な神社である安倍晴明神社なども存在し、歴史と現代が融合する地域としての魅力も併せ持っています。

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