アルパイ

アルパイ：カリブ海のスパイシーな揚げパイ

トリニダード・トバゴを起源とするアルパイ(Aloo pie)は、カリブ海地域で親しまれているファストフードです。サモサを思わせる揚げパイですが、アルパイはそれよりもずっと大きく、長さ10～15cmにもなります。形は三角形ではなく、イタリアのカルツォーネのような形状をしています。

材料と作り方

アルパイの作り方は比較的シンプルです。まず、パイ生地を作ります。小麦粉、水、塩、ベーキングパウダーを混ぜ合わせ、必要に応じてサフランで色付けをします。生地ができたら、スパイスを効かせたマッシュポテトを包み込み、油で揚げます。

マッシュポテトには、塩、コショウ、タマネギ、クミン、ニンニクなどの基本的なスパイスを使用します。さらに、グリーンシーズニングやオオバコエンドロ（プランテン）を加えることもあります。これらのスパイスが、アルパイ独特の風味を生み出しています。

揚げたてのアルパイは、提供前に切り開かれます。そして、ヒヨコマメやグリーンピースのカレー、タマリンドやマンゴーのチャツネ、さらにオオバコエンドロやペッパーソースなどを添えて提供されます。これらのトッピングが、アルパイの味わいをさらに豊かにします。

アルパイとトリニダード・トバゴの歴史

Alooはヒンディー語で「ジャガイモ」を意味します。この名称からも分かるように、アルパイはインドの食文化とのつながりが深いことが分かります。トリニダード・トバゴは、1797年から1962年までイギリスの植民地でした。1845年以降、プランテーションでの労働力確保のため、多くのインド人が移住してきました。彼らと共に、インドの野菜やジャガイモを使ったカレーがトリニダード・トバゴに伝えられました。アルパイは、このインドの食文化の影響を色濃く受け継いでいると言えるでしょう。

アルパイはどこで食べられる？

アルパイは、トリニダード・トバゴではいたるところで食べられます。スナックバーやパン屋、カフェテリアなどで手軽に購入できます。また、ダブルスという、似たような器具で作る軽食と共に、露天商が路上で販売している姿も見られます。アルパイは、トリニダード・トバゴの日常に溶け込んだ、国民的な軽食と言えるでしょう。

まとめ

アルパイは、スパイスの効いたマッシュポテトとサクサクのパイ生地の組み合わせが絶妙な、トリニダード・トバゴを代表するファストフードです。その歴史、材料、作り方、そして文化的な背景を知ることで、より一層アルパイの美味しさを味わえるでしょう。機会があれば、ぜひ本場の味を体験してみてください。

もう一度検索