いわくにバス

いわくにバス株式会社について

いわくにバス株式会社は、山口県岩国市を拠点とするバス事業者で、2009年に設立され、2010年から運行を開始しました。その設立の背景には、当時の公営バス事業者であった岩国市交通局の厳しい経営状況があり、岩国市から全額出資を受けて法人形態の公企業として誕生しました。

組織の特徴と運営方針

設立初期のいわくにバスは、単なる民営化ではなく、岩国市交通局から一部の路線を引き継ぎつつも、岩国市から運行を委託される形で運営されています。このような「分営化」を採用しており、地域住民へのサービス向上を目指しています。

しかし、モータリゼーションの影響もあり、利用者数は減少が続いており、特に2011年度には約200万人と、かつての利用者数の大幅な減少が見られました。そこで、初代社長にパナソニック出身の松島馨を迎えましたが、健康上の理由から2年後に退任。その後、ジェイアールバス関東出身の上田純史が新社長に就任し、さらなる運営強化に取り組んでいます。

黒字達成と新たな展開

2013年には、岩国錦帯橋空港線やさまざまな道路整備の影響もあり、初の実質黒字を達成しました。これ以降の運営においては、コミュニティバスや高速バスの運行にも力を入れ、地域住民のニーズに応える形でサービスを拡充しています。高速バス「岩国 - 広島線」など、重要な路線も維持しており、平日と休日での運行回数を設定しながら、移動の利便性を考慮しています。

運行本拠地と営業所

いわくにバスの本社は岩国市日の出町に所在し、主要な営業所に岩国駅前切符売場や錦帯橋バスセンターがあります。また、独自の運行管理システムである「BUSit」を導入しているほか、近年ではICカードシステムであるPASPYを導入し、混雑時でもスムーズな乗車が可能になっています。

不祥事とその対応

一方で、いわくにバスでは運営開始以降、法令違反や運行不備等の問題が幾度となく発生しています。これに対しては、社長自らが公式サイトで謝罪し、再発防止に向けた取り組みを行っています。特に、運転手による「バス停飛ばし」や不正な運行パターンが発覚した際には、行政処分を受ける事態となりました。その後、社内体制の見直しや運転手の補充策が講じられるも、運転手不足などの課題も抱えており、引き続き改善が求められています。

まとめ

いわくにバスは、地域の大切な交通手段として運行を続けながらも、様々な課題に直面しています。今後も地域住民のニーズに応え、信頼される交通機関であり続けるための努力が期待されます。

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