えちごトキめき鉄道

えちごトキめき鉄道株式会社

えちごトキめき鉄道株式会社（英: Echigo TOKImeki Railway Company）は、新潟県上越市に本社を置き、地域の公共交通を支える第三セクター鉄道事業者です。愛称として「トキてつ」や「トキ鉄」と親しまれています。

概要

この鉄道は、2015年の北陸新幹線の延伸に伴い経営が分離された路線の一部を新潟県が出資する形で設立されました。東日本旅客鉄道（JR東日本）の信越本線にあたる「妙高はねうまライン」と、西日本旅客鉄道（JR西日本）の北陸本線にあたる「日本海ひすいライン」の2路線を運営しています。事業開始は2015年3月14日で、この背景には地域の交通網を維持し、さらなる発展を図る意図がありました。

設立にあたっては「新潟県並行在来線株式会社」としてスタートし、2012年には現在の社名「えちごトキめき鉄道」に改称されました。社名には、新潟県の旧国名「越後」と、観光資源であるトキ、そして地域への愛着を表す「ときめき」が込められています。その背景には、新潟の玄関口としての役割を果たすというメッセージがあります。

沿革

えちごトキめき鉄道の設立に至る経緯としては、1990年代からの新幹線開業に関連する協議が背景にありました。1998年に新潟県が経営分離に同意したことを経て、2010年に正式に会社が設立され、2年後に運行を開始しました。運行開始以来、新潟県と沿線自治体では地域振興を目的とした様々な取り組みを行っており、観光列車の運行や地域イベントの開催などを通じて、地域活性化を促進しています。

路線

現在えちごトキめき鉄道が運行するのは2つの路線です。まず一つ目は「妙高はねうまライン」で、妙高高原駅から直江津駅を結ぶ37.7kmの区間です。もう一つは「日本海ひすいライン」で、市振駅から直江津駅までの59.3kmを運行しています。

両路線ともに、基本的には自社車両による運行が行われており、一般的な運賃はJR時代と同じ水準が維持されています。一部の区間では乗継割引が設定されるなど、利用者に優しいサービスも提供されています。

車両

車両については、新潟県内で運用されるET127系電車やET122形気動車があり、観光列車として「えちごトキめきリゾート雪月花」も運行しています。特急形車両は保有していないものの、普通列車や観光急行列車での運用が行われています。

また、直江津運転センターでは、車両のメンテナンスも行っていますが、高度な整備はJRの施設に委託しています。自社での運行管理にも努力を注いでおり、2017年からは独自の運行管理システムを導入しています。このような取り組みは、地域の交通安全と利便性向上を目指すものであり、地域住民に広く利用されています。

未来への展望

業界全体が厳しい状況にある中で、えちごトキめき鉄道は地域住民と観光客のニーズに応えるため、さらなるサービス向上を目指しています。特に観光資源としての地域の魅力を活かすため、新駅の設置や観光列車の運行強化などが計画されています。観光地へのアクセスや地域住民の利便性が向上することが期待されています。

えちごトキめき鉄道は、地域から愛される鉄道として、未来に向けた挑戦を続けていくことでしょう。

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