きのこたけのこ戦争

「きのこたけのこ戦争」とは、株式会社明治が販売するチョコレートスナック菓子「きのこの山」と「たけのこの里」のどちらがより美味しいかをめぐり、消費者の間で繰り広げられる論争です。この論争は、単なる好みの問題を超え、長年にわたり様々な形で展開され、社会現象とも言えるほどの盛り上がりを見せています。

論争の始まりと背景

この論争は1980年代頃から始まり、21世紀に入ってからもインターネット上で定番の話題、いわゆるインターネットミームとして広く認知されています。両商品は姉妹品でありながら、その形状や味わいの違いから、それぞれに熱狂的なファンが存在し、優劣を競い合っています。この現象は、単なるお菓子の好みを超え、人々のアイデンティティやコミュニティ意識にまで影響を与えていると言えるでしょう。

明治による公式キャンペーン

2001年には、明治自身がこの論争に便乗し、「きのこ・たけのこ総選挙」と題したキャンペーンを実施しました。このキャンペーンは、低迷していたきのこの山の売り上げ回復に大きく貢献しました。この事例は、企業が消費者の熱狂的な支持をうまく活用したマーケティング戦略として注目されています。

各種イベントでの勝敗

この論争は、インターネット上だけでなく、様々なイベントやキャンペーンでも取り上げられています。以下に、きのこの山とたけのこの里がそれぞれ勝利した事例を紹介します。

きのこの山が勝利した例

2010年: 米Amazonでのレビュー数で、きのこの山がたけのこの里を上回る。
2013年: Yahoo! Japanのキーワード検索数調査で、大半の都道府県できのこの山がたけのこの里を上回る。
2018年: スプラトゥーン2のフェスマッチ「あなたはどっち派? きのこの山vsたけのこの里」で、きのこの山が勝利。
2019年: 明治が実施した「きのこの山・たけのこの里国民総選挙2019」で、「きのこ党」が勝利。

たけのこの里が勝利した例

2001年: 明治が実施した「きのこ・たけのこ総選挙」で、たけのこの里が勝利。
2005年: 明治の調査で、たけのこの里の方が多く売れていると回答。
2014年: 無料家計簿アプリ ReceRecoの購買データ分析で、たけのこの里がきのこの山のほぼ2倍買われている。
2014-2015年: アーケード版太鼓の達人のイベント「meiji×太鼓の達人キャンペーンきのたけ合戦」で、たけのこの里が勝利。
2016年: スプラトゥーンのフェスマッチ「明治 presents あなたはどっち派? きのこの山vsたけのこの里」で、たけのこの里が勝利。
2016年: テレビ朝日系『お菓子総選挙2016』では、たけのこの里が8位、きのこの山は30位圏外。
2018年: 明治が実施した「きのこの山・たけのこの里国民総選挙2018」で、「たけのこ党」が勝利。
2020年: 明治が実施した「きのこの山・たけのこの里国民大調査2020」で、福島県を除く全都道府県でたけのこ愛がきのこ愛を上回る。
2021年: テレビ朝日系『世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団』の「最強ジャパンスイーツベスト40」で、たけのこの里が21位、きのこの山は22位。
2021年: グランブルーファンタジーとのコラボ「年年歳歳きのこたけのこ合戦」で、たけのこの里が勝利。
2022年: クラフトボスとのコラボキャンペーンで、たけのこの里が勝利。
2022年: サウジアニメエキスポ2022のアンケートで、たけのこの里が勝利。
2023年: 中央大学生活協同組合の総選挙で、たけのこ派が勝利。

このように、様々なイベントや調査で勝敗が入れ替わっており、どちらが優勢かは一概には言えない状況です。この点も、この論争が長年にわたり盛り上がりを見せている要因の一つと言えるでしょう。

関連する製品や文化

この論争は、他の製品や文化にも影響を与えています。

すぎのこ村: かつて明治から発売されていた姉妹商品。
アルフォート: ブルボンから発売されているチョコレートビスケット。きのこの山、たけのこの里に次ぐ第三勢力として加わることもある。
打首獄門同好会: アルバム「やんごとなき世界」に「きのこたけのこ戦争」という楽曲を収録。明治公認。
BEYOOOOONDS: アルバム「BEYOOOOOND₁St」に「きのこたけのこ大戦記」という楽曲を収録。明治公認ではない。

他の製品の戦争

同様の論争は、他の製品にも見られます。

マルちゃん赤いきつねと緑のたぬき: 東洋水産の和風カップ麺の姉妹商品。
クレムフカ: ポーランドのクリームパイ。別名でナポレオンカがあり、どちらの名称を使うかで店の勢力争いと侵略戦争が起きる。
コーラ戦争: コーラ各社のシェア争い。
コーヒー戦争: コーヒー各社のシェア争い。
バーガー戦争: ハンバーガー各社のシェア争い。
グラスゴー・アイスクリーム戦争: 1980年代、アイスクリームトラック経営者達の縄張り争い。
菓子戦争: 菓子店が発端で起きた実際の戦争。

このように、「きのこたけのこ戦争」は、単なるお菓子の好みを超えた、社会現象として捉えることができるでしょう。今後もこの論争がどのように展開していくのか、注目されるところです。

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