くま川鉄道

くま川鉄道株式会社について

くま川鉄道株式会社（Kumagawa Railroad Co., Ltd.）は、熊本県人吉市に本社を構え、地元の町村と民間企業が共同出資して運営している第三セクターの鉄道会社です。この会社は、熊本の美しい田園地帯を横断する湯前線を運営しており、その沿線には魅力的な観光スポットが点在しています。

沿革

くま川鉄道は1989年に設立され、その年の10月に九州旅客鉄道（JR九州）から湯前線の運営を引き継ぎました。この開業によって、新たな観光列車の運行が開始され、地域へのアクセスが向上しました。2009年には観光列車「KUMA1」と「KUMA2」が運行を始め、観光客の増加に寄与しました。

特に2012年には「くま鉄ゲストハウスくまたび」がオープンし、観光案内やくま川鉄道のグッズ販売が行われるようになりました。沿革の中で、2014年からは新しい気動車が導入され、観光列車「田園シンフォニー」が運行され始めます。

しかし、2020年には令和2年7月の豪雨により多大な被害を受け、全線が運休となりました。この災害への対応として、特例支援措置の適用や、自治体による鉄道再生協議会の設立が行われ、自立した運営の確保に向けた取り組みが進められています。

路線について

くま川鉄道が運営する湯前線は、人吉温泉と湯前を結ぶ全長24.8kmの路線です。この路線はもともと旧国鉄の特定地方交通線の一部であり、1987年の国鉄分割民営化に伴い、JR九州から引き継がれる形でスタートしました。湯前線は、美しい球磨川沿いを走り、四季折々の自然を楽しめるため、観光客にとっても人気のあるルートです。

現在の車両

現在、くま川鉄道ではKT-500形気動車が中心となって運行されています。KT-500形は、普通列車や観光列車「田園シンフォニー」として活躍しており、快適なトイレ付きのロングシートを備えた車両です。この他に、かつて運行していたKT-100形やKT-200形も存在しましたが、老朽化により廃車となっています。特にKT-203は観光列車KUMA1として知られていましたが、2016年に営業運転を終了しました。

近年の動向

近年において、くま川鉄道は新車両の導入や老朽化車両の更新を進めており、特に2013年と2014年に新車両を2回導入して5両体制を整えました。デザインは著名なデザイナーである水戸岡鋭治が手掛けており、その美しい外観も地域の魅力を高めています。

しかし、2020年の豪雨後は運休が続いており、復旧に向けた取り組みが行われています。間もなく、人吉温泉から肥後西村間が再開される予定ですが、復旧には自治体と国が一体となった協力が不可欠です。今後も地域の活性化と鉄道サービスの向上を目指した活動が続けられることでしょう。これからのくま川鉄道の展望に期待が寄せられています。

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