ひたちなか海浜鉄道

ひたちなか海浜鉄道株式会社

ひたちなか海浜鉄道株式会社（ひたちなかかいひんてつどう）は、茨城県ひたちなか市に本社を置く、日本の第三セクター鉄道事業者です。2008年に茨城交通の鉄道部門を新設分割する形で設立され、以降、茨城交通から引き継いだ湊線を運営しています。地域の公共交通機関として、地元住民や観光客に便利な移動手段を提供しています。

歴史

ひたちなか海浜鉄道の歴史は2008年に始まります。同年2月7日、富山地方鉄道出身の吉田千秋氏が社長に就任し、4月1日に湊線の運行が開始されました。設立当初、鉄道業界での経験を持つ社長が選ばれたことから、この路線の運営に強い期待が寄せられていました。

翌年の2011年3月11日、東日本大震災により、全線が運行休止となりますが、19日からは茨城交通による代行バスの運行が開始され、7月23日には全線が再開されました。このような困難を乗り越え、2013年12月には銚子電気鉄道との姉妹鉄道提携も締結し、さらなる発展を目指しました。

2018年5月31日には、震災後初めての最終黒字を計上し、経営の安定化に大きく寄与しました。2020年と2021年には国営ひたち海浜公園への延伸事業が申請され、運行路線の拡大も目指されています。

路線と運賃

ひたちなか海浜鉄道が管理する湊線は、勝田駅から阿字ヶ浦駅までの14.3kmを結びます。このルートは、茨城県の美しい海岸線を走るため、多くの観光客にも人気があります。

運賃体系は非常にシンプルであり、大人の普通旅客運賃は、出発日から適用され、子供は半額となっています。また、通勤定期券、通学定期券については、1か月、3か月、6か月、そして通学用には12か月の設定もあり、利便性が高いです。

さらに、特定の割引サービスも提供されており、障害者割引や難病患者のための運賃割引制度があります。特に、障害者については、本人の運賃が半額となり、必要に応じて介護者の運賃も割引対象になります。これにより、多様なニーズに応える姿勢が見て取れます。

特別企画乗車券

「湊線1日フリー切符」という特別企画乗車券もあり、これは大人1,000円、子供500円で一日中湊線を利用できる設計となっています。この切符は、2014年3月まで土日祝日のみの使用に限られていましたが、同年4月からは平日も利用可能になり、アクセスしやすくなりました。

駅猫「おさむ」と「ミニさむ」

ひたちなか海浜鉄道には、那珂湊駅で愛されている二匹の猫、「おさむ」と「ミニさむ」がいます。「おさむ」は黒の野良猫で、人々に親しまれており、駅のマスコットとして知られています。更に、有名な曲『黒ネコのタンゴ』の歌手、皆川おさむにちなんで名付けられ、彼はさらにこの猫に関連するオブジェを寄贈しています。おさむは2019年に17歳で他界しましたが、彼の存在は今も多くの人々に愛され続けています。

まとめ

ひたちなか海浜鉄道は、ただの交通機関ではなく、地域文化や観光をつなぐ重要な役割を果たしています。今後も地域の発展に寄与しながら、利用者にとって利便性の高い鉄道運営を続けていくことが期待されます。

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