ひとりかくれんぼ

ひとりかくれんぼ：日本の都市伝説を紐解く

「ひとりかくれんぼ」は、日本の近代怪談として知られる都市伝説です。「ひとり鬼ごっこ」とも呼ばれ、主に若者の間で知られています。その起源は諸説ありますが、関西地方や四国地方で古くから伝わるコックリさん的な遊びが元になったという説や、大学サークルの都市伝説研究活動の一環として意図的に広まったという説などがあります。いずれにせよ、一種の降霊術と見なされ、自己暗示による呪縛の可能性も指摘されています。

2007年、匿名掲示板「2ちゃんねる」のオカルト板で詳細な手順が公開され、それを試したユーザーによる怪奇体験談が多数投稿されたことで、一気に広まりました。ネットを通じて検証や体験談が拡散された結果、現在では広く知られる都市伝説となっています。

ゲームの準備と手順

ゲームには、以下のものが準備されます。

手足のあるぬいぐるみ
米
縫い針と糸（赤い糸が推奨される場合が多い）
自分の爪（髪の毛や皮膚、血を入れると危険度が増すという説もある）
刃物（包丁、カッターナイフなど）
コップ一杯程度の塩水（天然塩が推奨される場合が多い）

手順は概ね以下の通りです。まず、ぬいぐるみに名前をつけ、中身を取り出して米と爪を詰め、縫い合わせます。米は内臓、糸は血管を象徴しているという解釈もあります。隠れ場所を決め、そこに塩水を用意します。午前3時になると、以下の手順でゲームを始めます。

1. ぬいぐるみに「最初の鬼は○○（自分の名前）だから」と3回言い、浴室へ移動します。
2. 風呂桶（または浴槽、洗面台）にぬいぐるみを入れます。
3. 家中の照明を消し、テレビを砂嵐状態にして10秒間目を閉じます。
4. 刃物を持って風呂場に戻り、「△△（ぬいぐるみの名前）見つけた」と言ってぬいぐるみを刺します。
5. 「次は△△が鬼だから」または「次は△△が鬼」と3回言い、塩水のある隠れ場所に隠れます。
6. 1～2時間後、塩水を口に含んで隠れ場所から出て、ぬいぐるみを探します。
7. ぬいぐるみに残りの塩水と口に含んでいた塩水をかけ、「私の勝ち」と3回宣言して終了です。

バリエーションと注意点

手順には複数のバリエーションが存在します。ぬいぐるみを刺す場所、塩水の使用方法、終了条件など、様々な違いが見られます。また、ぬいぐるみはゲーム後、燃やすなどの方法で処分する必要があるとされています。

さらに、別のバリエーションとして、午前3時になったら塩水を満たした風呂桶の周りにろうそくを立て、綿を抜いたぬいぐるみに米とニワトリの心臓を入れ、紐で縛って風呂桶に入れ、「最初の鬼は私」と言って包丁で刺し、「じゃあ、今度はあなたが鬼」と言って隠れるという方法もあります。終了するには、ぬいぐるみから心臓を取り出し「私が勝ち」と宣言する必要があります。

危険性と考察

「ひとりかくれんぼ」は、単なる遊びではなく、心理的な危険性を伴う可能性があります。自己暗示やサブリミナル効果によって、恐怖体験を誘発する可能性が指摘されており、精神的に不安定な状態にある者にとっては、悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

また、ゲームそのものの起源や真偽は不明瞭であり、都市伝説としての性質が強いと言えます。しかし、その独特の雰囲気と、ネット上での拡散によって、多くの人の関心を集め続けていることは事実です。

参考文献

ミステル・ドミンゴ 著「真夜中の降霊遊び ひとりかくれんぼ」、早川和樹 編『こわい話 最凶怪奇譚 あなたの知らないニッポンの“恐怖”』ミリオン出版〈ナックルズBOOKS〉、2008年3月。
島田秀平「ひとりかくれんぼ」『異界神話』マガジンランド、2008年8月。

この文章は、入手可能な情報に基づいて記述されていますが、必ずしも全てが正確であるとは限りません。都市伝説の性質上、様々な解釈やバリエーションが存在することをご理解ください。

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