ふんだりけったり

トムとジェリー：ふんだりけったり

1951年12月8日に公開された、トムとジェリーシリーズの短編アニメーション作品『ふんだりけたり』（原題：Cat Napping）は、昼寝を巡るトムとジェリーの激しい争いをコミカルに描いた作品です。監督はウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ、制作はフレッド・クインビーが担当しました。

物語は、のどかな昼下がり、トムが庭で昼寝をしようとすると、ジェリーがすでにトムの寝場所であるハンモックを占領して気持ちよさそうに寝ているところから始まります。

この状況に激怒したトムは、ジェリーを池に突き落とすなどしてハンモックを奪還しようとしますが、ジェリーは巧妙な策略でトムを出し抜き、逆にトムをハンモックから落とします。

ここから、ハンモックを巡るトムとジェリーの壮絶な攻防が繰り広げられます。トムは、ジェリーに操られた蟻の大群によるハンモックの破壊、芝刈り機によるハンモックの粉砕など、次々と困難に見舞われますが、持ち前の粘り強さでハンモックを修復し続けます。

しかし、ジェリーのいたずらもエスカレート。ついにトムを遠くへ吹き飛ばしてしまうのです。

トムが姿を消した隙に、ジェリーはスパイクをおびき寄せ、ハンモックに寝かせます。トムはジェリーがいると思い込み、ハンモックを畳んでバットで叩きまくりますが、出てきたのはスパイクの首輪。トムは激怒したスパイクにボコボコにされてしまいます。

結局、ハンモックを取り戻すことができず、トムはジェリーとスパイクの世話係をさせられる羽目になり、スパイクに蹴られながらも彼らの昼寝を見守るという、散々な結末を迎えます。

登場キャラクター

トム: ハンモックを巡ってジェリーと激しい争いを繰り広げます。ジェリーの策略に次々と嵌り、最後はスパイクを殴ってしまい、ボコボコにされてしまいます。
ジェリー: 知略と策略でトムを翻弄し、ハンモックを死守します。スパイクと仲良くハンモックで昼寝をするという、見事な勝利を収めます。
スパイク: ジェリーのいたずらに巻き込まれ、トムにバットで殴打されるという、災難に見舞われます。その後はジェリーと一緒にハンモックでくつろぎ、トムに蹴りを入れながら世話係をさせます。
蟻の大群: 本作で初登場。前進しかせず、行進曲に合わせて進行し、障害物があってもそこを道として問答無用で進行する蟻の大群です。ジェリーに操られ、ハンモックの紐を切断してしまいます。赤い軍隊帽をかぶっているのが特徴です。
* 蛙: ジェリーに操られ、トムに飲み込まれながらも、体内から脱出してトムを池に突き落とします。

この作品は、トムとジェリーの定番のコミカルなやり取りに加え、予測不能な展開と個性豊かなキャラクターたちが織りなす、何度でも楽しめる魅力的なアニメーションとなっています。トムの執念、ジェリーの悪巧み、そしてスパイクの怒りが交錯する、笑いとスリルに満ちた作品です。

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