みちのく北方漁船博物館

みちのく北方漁船博物館の歴史と活動

みちのく北方漁船博物館（以下、博物館）は、青森県青森市沖館に位置し、1999年に設立されました。この博物館の主な目的は、青森県およびその周辺地域の漁船に関する展示と研究です。特に、青森県沿岸および函館市周辺の滅亡しかけた木造漁船を収集・展示することから始まりました。設立に際しては、地元銀行であるみちのく銀行の元会長、大道寺小三郎氏が深く関わっており、地域の資源を活用した重要な文化財の収集は、博物館の設立の大きな要因となりました。

博物館は、静態保存された漁船だけでなく、動態保存にも積極的に取り組んでおり、青森湾での遊覧イベントなども定期的に開催していました。また、2003年から2006年にかけて、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の運営も受託していました。これにより、地域に根ざした海洋文化の理解を促進していました。

本博物館の特徴として、多様な船の展示があります。漁船のほか、北前船や東南アジアのジャンク船、さらに北欧のヴァイキング船まで、さまざまな船舶が展示されていました。特に、津軽海峡及びその周辺地域に特化したムダマハギ型木造漁船は67隻が国の重要有形民俗文化財に指定されており、その貴重さを物語っています。

博物館の閉館と新たな歴史館への移行

2014年3月18日、博物館は閉館となりました。その理由には、運営の経営困難や地域経済の環境変化が挙げられます。2005年の不祥事により、入場料の値上げやイベントの縮小を余儀なくされ、運営を支えるための新たな支援も必要でした。その結果、2014年に閉館し、展示されていた施設や所蔵品は青森市に譲渡されることとなりました。

その後、青森市は譲り受けた施設について改修工事を行い、2015年7月26日に「あおもり北のまほろば歴史館」として再オープンしました。この新しい歴史館では、地域の歴史や文化を広く紹介することを目指し、旧博物館のエッセンスを受け継ぎつつ新たなスタートを切ることとなりました。

博物館の運営と今後の展望

博物館の設立時は、地域の人々や行政との関係が重要視されており、地域への貢献が期待されていました。しかし、2005年以降の経営問題により、運営が厳しくなり、様々な施策を講じる必要がありました。その中には、地域住民や企業と連携を図ることも含まれていました。

新しい歴史館では、博物館の理念を引き継ぎながらも、さらに広範な地域交流が求められており、地元住民が楽しめる体験型のプログラムの充実が目指されています。これにより、青森地域の海洋文化や歴史が次世代へと受け継がれ、地域の特徴や魅力を発信する重要な拠点としての役割が期待されるでしょう。

主要展示品

• - 津軽海峡のムダマハギ型木造漁船67隻（国の重要有形民俗文化財）
• - 北日本の漁船や外国の木造船（大韓民国、ベトナム、タイ、バイカル湖など）
• - 漁撈道具、船大工道具、様々な船具
• - ジャンク船、ビニシ船、ダウ船、ヴァイキング船やヨット（屋外展示）

みちのく北方漁船博物館は地域の海洋文化の重要な拠点であり、その活動は歴史館として新たな形で今も続いています。

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