らくらくスマートフォン

らくらくスマートフォンF-12D：シニア層のための使いやすいAndroidスマートフォン

2012年、NTTドコモから発売された富士通製スマートフォン『らくらくスマートフォンF-12D』は、らくらくホンシリーズ初のAndroid搭載モデルとして大きな話題となりました。スマートフォン市場の拡大に伴い、シニア層にもスマートフォンの需要が高まっていたことを受け、長年の市場調査とらくらくホンシリーズのノウハウを活かして開発されました。

シニアユーザーに配慮した設計

本機種最大の特徴は、シニアユーザーの使いやすさを追求した設計にあります。

直感的な操作性

4.0インチのタッチパネルには、新開発の「らくらくタッチパネル」を採用。指が触れているとアイコンの色が変化し、押下時には振動でフィードバックが得られるため、誤操作を減らし、確実な操作感を実現しています。さらに、「うっかりタッチサポート」や「おまかせタッチ」といった機能も搭載し、誤操作を徹底的に防止。

UIは、らくらくホンシリーズの特徴を踏襲した独自設計。通話、メール、電話帳といった主要機能は画面の一番上に配置され、ワンタッチでアクセスできます。ホームボタンは1つのみで、Androidのホームキーや戻るキーとは異なり、フィーチャーフォンの終話キーに近い役割を果たします。また、設定により従来のらくらくホンシリーズと同じメニュー画面を表示することも可能です。ブラウザも、戻る・進むボタンを配置するなど、シニアユーザーにとって使いやすいよう配慮されています。

高齢者にも聞き取りやすい音声機能

音声機能も充実しており、「ゆっくりボイス」、「スーパーはっきりボイス3」に加え、新たに「響カット」機能を搭載。反響音を削除することで、騒がしい場所でも聞き取りやすくなっています。さらに、「持ってる間ON」機能により、端末を握っている間は画面が常時点灯し、操作性を向上させています。

安心・安全設計

防水（IPX5／IPX8）、防塵（IP5X）に対応し、耐摩耗性に優れた「ウルトラタフガード」を採用することで、傷や汚れに強く、長く美しい状態を保てます。ディスプレイは指紋や汚れが付きにくい「サラサラコートディスプレイ」を採用しています。

シンプルな機能と充実のサポート

Googleアカウントは非対応で、Google Playからのアプリダウンロードはできません。そのため、GmailなどのGoogleサービスは利用できませんが、dメニューから一部アプリをダウンロード可能です。パケット通信料定額サービス「らくらくパケ・ホーダイ」や音声通話定額制「らくらくパック」など、シニアユーザー向けの料金プランも用意されています。また、スマホの使い方アドバイスや専用コミュニティサイトなどのサポートも充実しています。

カメラ機能とメール機能

カメラは「Milbeaut Mobile」映像エンジンと裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を搭載し、高画質撮影を実現。タッチシャッター機能により、簡単にピント合わせと撮影が可能です。メール機能は「かんたんデコメ」に対応し、例文も豊富に用意されているため、メール作成が苦手なユーザーでも安心して利用できます。

搭載アプリ

プリインストールアプリとして、歩数計、写真宅配サービス、ゲームなど、シニア層向けのアプリが多数用意されています。

その他

本機種は、フランスのOrange社を通じて「STYLISTIC S01」として海外でも販売されました。発売後には、ソフトウェアアップデートによる不具合修正や機能追加が複数回行われています。

まとめ

らくらくスマートフォンF-12Dは、シニア層の使いやすさを第一に考えられた、画期的なスマートフォンです。直感的な操作性、高齢者にも配慮した音声機能、そして充実したサポート体制により、安心してスマートフォンライフを始めることができるでしょう。Google Play非対応という点に注意が必要ですが、シニア層にとって使いやすく、安心できる一台と言えるでしょう。

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