音声通話定額制

音声通話定額制とは

音声通話定額制とは、電話の基本的な機能である音声通話において、通話時間や回数に関わらず、一定の料金で利用できる料金体系のことです。従来の通話料は通話時間に応じて課金される従量制が一般的でしたが、定額制の導入により、利用者はより安心して通話を楽しめるようになりました。

日本における音声通話定額制

日本では、長らく通話時間に応じた従量課金が主流でしたが、2000年代に入り、携帯[[電話]]やIP電話を中心に定額制サービスが普及しました。海外では、市内通話が基本料金に含まれる国も多く、アメリカ合衆国などがその例として挙げられます。これらの国では、定額制の普及がブロードバンドの必要性を低め、その普及を遅らせたという見方もあります。

2006年11月現在、日本国内ではIP電話および携帯[[電話]]・PHS事業者において音声通話定額制が提供されています。ただし、携帯[[電話]]・PHSにおいては、事業者によって契約内容が異なる場合があります。この記事では、電気通信事業としての電話についてのみを扱っており、インターネット[[電話]]（VoIP）や一部携帯[[電話]]のプッシュ・ツー・トークによる定額制は対象外としています。

各社のサービス

固定[[電話]]

2006年10月時点で、固定[[電話]]サービス（IP電話を除く）で音声通話定額制を提供していたのは、ソフトバンクテレコムの直収電話サービス「CHOKKA」のみでした。しかし、同サービスは同年10月31日に廃止されました。NTT東西では、深夜時間帯限定の定額制サービス「テレホーダイ」が提供されていますが、本記事では対象外とします。

CHOKKAでは、オプション料金を追加することで「かけ放題」サービスを利用できましたが、適用対象はCHOKKAユーザー同士の通話に限られていました。以前は、1ヶ月の合計通話時間や相手先を制限する条件がありましたが、2004年3月5日以降はこれらの制限が解除されていました。ソフトバンクテレコムへの事業譲渡に伴い、CHOKKAサービスは新規申し込みを停止し、2006年10月31日に終了しました。契約者はソフトバンクテレコムの「おとくライン」に移行しましたが、「かけ放題」サービスは廃止されました。

IP電話

IP電話については、別途IP電話の項目を参照してください。

携帯[[電話]]・PHS

携帯[[電話]]・PHSでは、各社から様々な定額制プランが提供されています。これらのプランは、大きく分けて以下の4つのタイプに分類できます。

特定の相手との通話が無料になるもの
同じ会社のユーザー同士なら相手を問わず無料になるもの
相手先を問わず、時間制限付きで無料になるもの
相手先を問わず、無制限で無料になるもの

なお、ローミングによる通話やテレビ[[電話]]などは、定額制の対象外となることが多いです。

ソフトバンク

ソフトバンクでは、ソフトバンクモバイルユーザー同士、またはディズニー・モバイルユーザーとの通話が定額制の対象となります（「スマ放題」を除く）。基本料金プランとして、「ホワイトプラン」や「ゴールドプラン」が提供されており、これらのプランを契約している回線からの発信が定額通話の対象となります。また、ボーダフォン時代の料金プランを契約している回線では、発信側または発着信双方が特定のオプション契約を結んでいる場合に定額通話が適用されます。ただし、定額通話の対象時間帯や連続通話時間には制限があります。

ゴールドプラン

2006年10月26日に開始された月額9600円のプランです。ディズニー・モバイルまたはソフトバンク契約回線への通話が、午前1時から午後9時まで無料になります。午後9時から翌午前0時59分までは月間200分まで無料で、超過分は30秒21円で課金されます。テレビ[[電話]]や国際ローミングサービスによる通話は対象外です。継続割引、家族割引との併用が可能です。

ホワイトプラン

2007年1月16日に開始された月額980円のプランです。ディズニー・モバイルまたはソフトバンク回線への通話が、午前1時から午後9時まで無料になります。それ以外の通話は30秒21円で課金されます。テレビ[[電話]]や国際ローミングサービスによる通話は対象外です。継続割引はありません。2010年4月27日以降に契約した場合は、2年契約となり、更新月以外の解約やプラン変更には9975円の違約金が発生します。ただし、それ以前から継続契約している場合は、一部例外を除き違約金は発生しません。

2007年6月1日より、ホワイトプラン加入者と同一家族割引サービス対象回線への通話が24時間定額になる「ホワイト家族24」サービスが開始されました。このサービスは追加料金なしで、ディズニー・モバイル契約回線も対象にできます。2008年6月3日からは、ホワイトプランとソフトバンクBBのIP電話加入者間で通話料が無料となる「ホワイトコール24」も開始されました。

24時間定額オプション

2013年1月15日に開始された、SoftBank 4G LTEプラン利用者向けのオプションです。月額500円のオプション料金でソフトバンクモバイル宛の通話が24時間無料になります。

スマ放題

2014年7月1日に開始されたプランで、月額2700円（スマートフォン）または2200円（3Gケータイ、いずれも2年契約時）で、国内通話が相手先を問わず無料になります。テレビ[[電話]]や国際ローミングサービスによる通話は対象外です。

ボーダフォン時のプラン

ゴールドプラン、ホワイトプランの登場により、ボーダフォン時代の以下のオプションは新規申し込みを終了しました。

家族通話定額：家族割引加入者が対象で、同一家族割引サービス対象回線への発信が定額になります。
LOVE定額：月額315円で、特定のソフトバンク回線1つへの通話が定額になります。また、指定した相手へのメール送信・受信も一部定額となります。

法人向け

ソフトバンクモバイルオフィス：登録した特定のグループ間での音声通話が定額になるサービスです。

ワイモバイル

ワイモバイル（旧イー・モバイル）は、2008年3月28日の音声通話サービス開始時より、自社相互の音声通話が定額となるオプションを提供しています。また、基本料金コースとして自社相互の通話が定額になるコースや、他社との通話が条件付きで定額になるオプションサービスも提供しています。

ウィルコム

ウィルコムでは、ウィルコム同士の通話が無料になる基本料金コースに加え、オプションサービスとして他社との通話も条件付きで定額となるサービスを提供しています。

ウィルコム同士の通話定額制

「ウィルコム定額プラン」として、2005年5月1日より提供されています。また、データ通信定額制プラン「新つなぎ放題」にも、同条件で音声通話定額となる「話し放題」が2008年10月1日より提供されています。

当初はウィルコム同士の通話のみが定額対象でしたが、2006年10月20日より、他社PHSへの通話も定額対象となりました。ただし、ウィルコム以外のPHS事業者は順次サービスを終了したため、現在はウィルコムのみがPHSの音声通話サービスを提供しています。

ウィルコムは、連続通話時間が2時間45分以上の場合、従量課金対象となる可能性があり、16時間以上の通話はネットワーク側で切断される可能性があるとしていますが、これは連続通話時間であり、一度切ってかけ直せば問題ありません。また、定額制対象の通話時間や相手を限定する制限はありません。

主なプラン

ウィルコム定額プラン・新ウィルコム定額プラン：月額2900円で、全PHSへの通話が定額で利用できます。固定[[電話]]や他社携帯[[電話]]への通話は別途料金が発生します。
ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン・新トリプルプラン：月額1900円で、1時から21時までの全PHSへの通話が定額で利用できます。3回線以上の契約が必要です。
新ウィルコム定額プランS・新ウィルコム定額プランG・新ウィルコム定額プランGS：月額1450円で、全PHSへの通話が定額で利用できます。他社への通話は別途料金が発生します。
話し放題：新つなぎ放題に付加する月額980円のオプションで、全PHSへの通話が定額で利用できます。
他社との通話定額制：「だれとでも定額」というオプションで、他社への通話も定額になります。月額980円で、1回の通話が10分以内、1ヶ月に500回まで無料になります。

ディズニー・モバイル・オン・ソフトバンク

ディズニー・モバイル・オン・[ソフトバンク]]では、ディズニー・モバイル・オン・ソフトバンクユーザー同士、またはソフトバンクモバイルユーザーとの通話が定額制の対象となります（「スマ放題(D)」を除く）。基本料金プランとして「ホワイトプラン]」が提供されており、ディズニー・モバイル・オン・[[ソフトバンクまたはソフトバンク回線への通話が、午前1時から午後9時まで無料になります。その他の時間帯やテレビ[[電話]]などは別途料金が発生します。また、家族割引（ホワイト家族24(D)）に加入することで、同一家族割引対象回線への通話が24時間定額になります。

「スマ放題(D)」は、2014年7月1日に開始されたプランで、月額2700円（スマートフォン）または2200円（3Gケータイ、いずれも2年契約時）で、国内通話が相手先を問わず無料になります。

NTTドコモ

NTTドコモでは、以下の定額制サービスを提供しています。

カケホーダイ&パケあえる：2014年6月1日開始のプランで、国内通話が、一部対象外を除き時間無制限で定額になります。
家族内通話定額：特定の条件を満たすFOMA回線から、同一家族割引対象回線への発信が定額通話の対象となります。iモードメールも家族間無料となります。
ビジネスシンプル（法人向け）：グループ内の通話やiモードメールが無料になります。
カケ・ホーダイ：プッシュトークでの通話が無料になるサービスでしたが、プッシュトークサービスの終了とともに廃止されました。
ビジネス通話ホーダイ（法人向け）：グループ間のFOMA回線通話が24時間無料になるサービスです。
オフィス割引/オフィス割MAX50（中小法人向け）：法人グループ間のFOMA回線通話とiモードメールが無料になるサービスです。
OFFICEED（エリア内通話定額）：登録した端末同士のエリア内通話が定額になるモバイルセントレックスサービスです。
オフィスリンク（全国型内線サービス）
ホームU（FMCを使った通話定額）：無線LAN経由でiモードやパケット通信が無料になるサービスで、IP電話としても利用可能です。
Xiカケ・ホーダイ：高速通信サービスXiプランのみ対象の通話料定額サービスで、ドコモあての通話が24時間無料になります。

KDDI/沖縄セルラー電話連合（au）

auでは、法人向けと家族向けの定額通話制を提供しています。

OFFICE WISE：登録した特定の携帯[[電話]]間での内線通話が定額になります。
ビジネス通話定額：法人向けの音声通話定額サービスです。
家族内通話定額：家族割とあわせて「誰でも割」または「スマイルハート割引」を契約している回線から、同一家族割引サービス対象回線への発信が定額になります。
指定通話定額：月額390円で、指定した3件までのau携帯[[電話]]への国内通話が24時間無料になります。
プランZシンプル：月額基本料金1961円（「誰でも割」加入で980円）で、au携帯[[電話]]への国内通話が午前1時から午後9時まで無料になります。
LTEプラン：au 4G LTE専用プランで、プランZシンプルとほぼ同じ内容です。
au通話定額24：au 4G LTEプラン利用者向けのオプションで、月額500円でau宛の通話が24時間無料になります。

NTTコミュニケーションズ

NTTコミュニケーションズは、ウィルコム回線のMVNOで法人向けの定額通話制を提供しています。

.Phoneユビキタス：ウィルコム回線と、NTTコミュニケーションズや無料通話先プロバイダの050IP電話への通話が無料になります。

イー・モバイル

イー・モバイル（現ワイモバイル）では、自社相互の音声通話定額制を提供しています。

定額パック24：月額980円のオプションで、イー・モバイル同士の通話が定額になります。
ケータイ定額プラン：基本料金プランとして、イー・モバイル同士の通話が定額になります。
他社との通話定額制：「通話定額オプション」で、国内通話が最初の10分間、1ヶ月に300回まで無料になります。2014年2月13日より、「誰とでも定額 for EM」に改称されました。

各キャリア別トータルコストの比較

各キャリアのプランを比較する際には、基本料金だけでなく、オプション料金や割引サービス、契約期間なども考慮する必要があります。

日本国外でのサービス

北米を中心に、プッシュ・ツー・トークサービスで通話定額制が導入されています。

関連項目

Fixed Mobile Convergence
平成電電
直収電話
IP電話
ウィルコム
ゴールドプラン (SoftBank)
ホワイトプラン
しまクリーズ（ボーダフォン4つの定額）
ビジネスシンプル
ビジネス通話ホーダイ
オフィス割引
OFFICEED（エリア内通話定額）
ソフトバンクモバイルオフィス
携帯[[電話]]･PHSの定額制サービス
音声通話定額制/パケット定額制/メール定額制

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