アイアグリ

アイアグリ株式会社：農家のパートナーとして発展を続ける農業資材小売企業

アイアグリ株式会社は、茨城県土浦市に本社を置く、農家向けの農業資材を販売する企業です。農業資材専門店「農家の店しんしん」を運営し、長年にわたり日本の農業を支えています。その歴史は、1986年、玉造和男氏によって新進株式会社として創業されたことに始まります。当初は樹脂メーカーの営業マンであった玉造氏は、農業分野への可能性を見出し、農業資材の販売に踏み出しました。

1987年には茨城県で1号店を開店。その後、1994年には伊藤忠商事との提携を開始、共同で農業資材専門店の運営に乗り出します。この連携は、アイアグリの成長に大きな役割を果たしました。伊藤忠商事は、全額出資子会社として伊藤忠アグリシステム（のちにファーテックに社名変更）を設立し、新進株式会社との協業体制を構築しました。

2002年、商品調達と経営管理の一元化を目的として、ファーテックと新進株式会社は経営統合を行いました。この統合には住友化学が第三者割当増資を引き受け、合併後の社名はアイアグリ株式会社となりました。住友化学はその後もアイアグリ株式会社への投資を続け、2016年には筆頭株主となっています。

アイアグリ株式会社は、兼業農家を主な顧客ターゲットとしています。農業協同組合（JA）が強いシェアを誇る予約販売システムとは異なり、土日祝日も営業することで、顧客の利便性を高め、高い支持を得ています。また、従業員の専門性を重視し、店舗従業員の6割を正社員とすることで、質の高いサービス提供を実現しています。これは、農業資材に関する深い知識と経験を持つ人材育成への投資が、企業成長の戦略として重要だと認識していることを示しています。

単なる農業資材の販売にとどまらず、アイアグリ株式会社は農業そのものの発展にも貢献しています。2000年には、農業生産法人ユニオンファームを設立し、農家の育成にも乗り出しました。2006年には「就農塾」を開設し、新規就農者の支援事業にも力を入れています。これは、日本の農業における人材不足という課題への積極的な取り組みであり、持続可能な農業社会の実現に貢献する姿勢を示しています。

アイアグリ株式会社の歩みは、農業資材の販売という枠を超え、日本の農業を支える総合的な企業へと進化してきた過程を示しています。伊藤忠商事や住友化学といった大企業との連携、顧客ニーズに応える柔軟な対応、そして新規就農者支援といった多角的な取り組みは、同社の成長の原動力となっています。今後、アイアグリ株式会社が日本の農業にどのような貢献をしていくのか、注目が集まります。

沿革
1986年: 新進株式会社設立
1987年: 1号店開店
1994年: 伊藤忠商事と提携
2000年: 農業生産法人ユニオンファーム設立
2002年: ファーテックと経営統合、アイアグリ株式会社設立
2008年: アイアグリ関東株式会社設立
2016年: 住友化学が筆頭株主となる

関連情報
アイアグリ株式会社
* ユニオンファーム

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