アイヴァン・サンダーソン

アイヴァン・テレンス・サンダーソン（1911年1月30日-1973年2月19日）は、20世紀を代表する動物学者、作家、そして超常現象研究家です。スコットランドのエディンバラに生まれ、ケンブリッジ大学を卒業後、アメリカに帰化しました。

サンダーソンの名は、動物学研究のみならず、超常現象や未確認飛行物体（UFO）、未確認動物（UMA）に関する幅広い研究で知られています。17歳の頃に行った世界一周旅行がきっかけで、超常現象への関心を深めていきました。アフリカでの探検では、現地住民が語る謎の怪鳥「オリティアウ」の調査を行い、それがUMAの一種であるコンガマトーではないかと推測しました。

彼の研究対象は多岐に渡りました。オーパーツと呼ばれる、時代錯誤的な遺物や技術に関する研究では、コロンビアで発見された黄金細工「黄金スペースシャトル」について、航空工学専門家アーサー・ポイスリーと共に、それがジェット戦闘機である可能性を示唆する論文を発表し、大きな話題を呼びました。また、パナマで発見された黄金細工をマヤ文明のブルドーザーではないかと推測するなど、独創的な見解を示しています。

UMA研究においては、ミネソタ州で発見された「ミネソタ・アイスマン」と呼ばれる凍結遺体の研究に、フランスの動物学者ベルナール・ユーベルマンと共に取り組み、それが未知の獣人であるとの結論を導き出しました。さらに、サンダーソンは、偽の巨大ペンギンの調査にも関わっており、その正体がいたずらであったことを突き止めました。

UFO研究においては、宇宙生物がUFOの正体であり、地球の海底に基地を建設している可能性を示唆するなど、大胆な仮説を展開しました。彼のこうした研究は、必ずしも科学界で広く受け入れられたわけではありませんが、その独創性と探究心は多くの読者や研究者を魅了し続けました。

サンダーソンの活動は、単なる研究にとどまりませんでした。1965年には、超常現象の調査と研究を目的とした団体「Society for the Investigation of the Unexplained（SITU）」を設立し、様々な現象の収集、調査、紹介に尽力しました。SITUは、超常現象研究の進展に大きく貢献しました。また、彼はテレビやラジオにも出演し、一般の人々に超常現象に関する知識を広める活動も行っていました。

チャールズ・フォートの熱心な支持者でもあったサンダーソンは、オーパーツ、ファフロツキーズ、グロブスターといった、現在では広く使われている超常現象関連の用語を考案した一人でもあります。彼の造語センスは、後世の研究者にも影響を与えました。

アイヴァン・サンダーソンは、その生涯を通じて、謎に満ちた現象に果敢に挑戦し続けました。彼の残した研究成果と考察は、科学的検証を必要とする部分も多いものの、超常現象や未知の生物、そして宇宙への関心を深める上で、重要な役割を果たし続けています。彼の功績は、科学とオカルト、現実と幻想の境界線上にある、人類の知的好奇心を刺激し続けるでしょう。

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