アクセス禁止

アクセス禁止とは

アクセス禁止とは、主にコンピュータネットワークにおいて、特定のデータやリソースへの通信接続を技術的に禁じる措置、またはその状態を指します。これは、現実世界の建物や店舗における「出入り禁止」に相当し、しばしば「アク禁」と略されます。狭義には、インターネット上の掲示板やウェブサイトなどへの特定経路からの接続を拒否する設定を指し、主に荒らしなどの迷惑行為を行う利用者を排除する目的で用いられます。掲示板によっては、アクセス禁止を「アクセス規制」や「アクセス制限」と呼ぶこともあります。

アクセス禁止の概要

インターネットに接続されたサーバ上の公開情報やリソースは、通常誰でも閲覧可能です。しかし、倫理的にアクセスすべきでない情報や、運営側に不都合な行為を行うユーザーが存在します。そのようなユーザーを締め出す行為が「アクセス禁止」です。

ネットワークアドレスによるアクセス禁止

コンピュータネットワークでは、通信相手の接続経路を容易に特定できます。これにより、リモートホストやIPアドレスを基に、特定の範囲からの接続を拒否できます。インターネットでは、IPアドレスは接続ごとに変動するため、単一アドレスのブロックは効果的でない場合があります。しかし、CATVなどの固定IPアドレスサービスや、特定のプロバイダをまとめてブロックすることも可能です。このため、迷惑行為を行うユーザーと同じプロバイダを利用する無関係なユーザーが巻き込まれることもあります。
また、IDとパスワードによる認証を通じて、特定のユーザーのみにアクセスを許可することも可能です。逆に、特定のユーザーを締め出すロックアウトも可能です。

国家によるアクセス禁止

一部の国では、国家がインターネットへのアクセスを制限しています。中国ではグレート・ファイアウォールにより、GoogleやYouTubeなどのサービスが利用できません。キューバでは国外ウェブサイトへの接続が国家による許可制となっています。韓国と北朝鮮も、互いの政府関連サイトへの接続を制限しています。また、不敬罪を理由にYouTubeへのアクセスを禁止していた国もあります。

建物・施設でのアクセス禁止

企業や官公庁などでは、従業員の業務に関係ないウェブサイトへのアクセスを制限し、その履歴を記録することがあります。これにより、業務態度を評価したり、解雇などの処罰を行うこともあります。また、P2Pやインスタントメッセンジャー、VoIPなどの通信を制限することもあります。

コンピュータ利用者に対するロックアウト

コンピュータ用語におけるロックアウトは、アカウントの凍結を指します。これは、利用規約違反や迷惑行為を行ったユーザーに対して、管理者が行う措置です。一時的な措置として反省を促したり、冷静になる期間を与える目的で行われますが、違反行為が繰り返される場合は、アカウント剥奪やアクセス禁止といったより厳しい措置が取られます。

利用者の利益を守るための締め出し

不正アクセスを防ぐために、パスワードの誤入力が繰り返された場合、一時的にアカウントをロックアウトする措置も行われます。これは、不正利用から利用者を保護するための措置であり、本人確認後にアカウントを回復したり、パスワード変更を提案したりします。ATMでのカード取り忘れや暗証番号誤入力によるロックアウトも、同様の目的で行われます。

問題点

アクセス禁止は技術的に非常に細かい設定が可能ですが、広範囲な制限は倫理的な問題を引き起こす可能性があります。特定のプロバイダや国からの接続を一律に締め出すことは、一種の差別とみなされる可能性があります。過去には、迷惑メール送信者の対策として、特定のプロバイダからのアクセスを一斉に拒否した事例もありました。

脚注

アクセス禁止は、様々な目的で実施される重要なセキュリティ対策の一つです。
しかし、その適用範囲や方法によっては、利用者の権利や倫理的な問題も考慮する必要があります。

アクセス禁止