アステリズム

アステリズム（Asterism）について

アステリズム、またの名を星群とは、天球上に複数の恒星が連なる形で構成された非公式な天文集合体を指します。これらは星座とは異なり、国際[[天文学連合]]（IAU）から公式に認められていないことが多いのが特徴です。アステリズムは古代から人々に親しまれており、趣味の天体観測者にとっても重要な対象です。また、簡便な時刻や方角、位置を把握するための指標としても利用されてきました。

アステリズムと星座の違い

アステリズムの最大の特性は、公式に定められた88の星座と異なる点にあります。星座は国際的に認定された天文的な区分として、参照や位置情報を提供します。一方でアステリズムは、自然界での星の配列や文化的な背景に基づくもので、特定の定義に束縛されていません。これにより、複数の近代的星座にまたがるものや、ひとつの星座の中で成り立つもの、さらには情報源によって異なる名称や領域を持つものもあります。大プリニウスは著書『博物誌』において72のアステリズムを記録しており、古典的な星座や地域特有の星座も含まれます。

アステリズムの具体例

1つの星座のアステリズム

• - オリオンの三ツ星: オリオン座のδ星、ε星、ζ星が一直線に並んで見える様子。
• - 北斗七星: おおぐま座の主要な7つの星（α星、β星、γ星、δ星、ε星、ζ星、η星）で構成される、大変有名なアステリズム。
• - 南斗六星: いて座のζ星、λ星、μ星、σ星、τ星、φ星が形成する群。
• - 北十字: はくちょう座にある主要な星（α星など）が形成する十字の形。
• - コートハンガー: こぎつね座に属し、服を掛けるハンガーのような形状をした10個の星。

複数の星座に跨がるアステリズム

• - ペガススの四辺形: ペガスス座のα星、β星、γ星とアンドロメダ座のα星から構成。四角形の形状をしています。
• - 春の大曲線: 北斗七星を起点にアークトゥルスとスピカを結び、曲線を描くように配置されている星々。

季節ごとのアステリズム

• - 春の大三角: アークトゥルス、スピカ、しし座β星（デネボラ）の三つの星を結ぶ三角形。
• - 夏の大三角: アルタイル、デネブ、ベガを結ぶ通常見られる三角形。特に夏の夜空で目立ちます。
• - 冬の大三角: ベテルギウス、シリウス、プロキオンを結んだ三角形です。

アステリズムは、時折星座に関連しながらも、独自の魅力を持った星の並び方を提供します。多様な形状や文化的背景を持つアステリズムを通じて、夜空に繰り広げられる星々の美しさを再認識することができるでしょう。星座や天体観測の知識を深める手助けとして、アステリズムを観察することは多くの人にとって魅力あふれる活動となります。

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