イクノディクタス

イクノディクタス

イクノディクタス（Ikuno Dictus）は、日本の競走馬であり、繁殖牝馬としても知られています。1987年に生まれ、2019年までの人生を競馬界で過ごしました。彼女は、その頑強な精神力から「鉄の女」と称されることもあり、51レースに出走し、故障なく走り続けました。

来歴

イクノディクタスは、1988年の2歳馬セリ市で930万円という価格で購入されました。しかし、3歳の頃に屈腱炎を患い、当初は競走馬としての道が絶たれかけました。そのため、装蹄師の福永守に相談し、治療方針の変更を図りました。この結果、彼女は無事に完治し、競走馬としてデビューすることができました。ただし、屈腱炎の診断が正確だったかは今でも疑問視されています。

1989年7月、小倉競馬場でのデビュー戦では、新馬戦とフェニックス賞で連続勝利を収めましたが、その後は厳しい試練が待っていました。特に、小倉3歳ステークスでは、人気を集めていたにも関わらず9着に沈み、その後も勝ちきれないレースが続きました。1990年も苦しい年で、桜花賞や優駿[[牝馬]]では良い競走ができずに終わってしまいました。

しかし、1991年には運が開け、久々に勝利を収めました。コーラルステークスでの成功を経て、京阪杯では初の重賞制覇を果たします。この年、彼女は総じて安定した成績を残し、1992年に向けて期待を高めました。

1992年には関門橋ステークスでのスタートを切り、新潟大賞典まで6戦全敗という厳しい状況も、エメラルドステークスで見事に勝利し、金鯱賞でも優勝を果たします。また、小倉記念でも勝利を挙げ、オールカマーではオグリキャップの記録を更新する快挙を達成しました。この年、彼女はJRA賞最優秀5歳以上牝馬に選ばれることとなりました。

1993年はさらなる挑戦の年で、日経賞や産經大阪杯で敗北を喫しながらも、安田記念での2着は大きな驚きを呼びました。この競走は14番人気であったため、大万馬券につながり、彼女自身も名を馳せるきっかけとなりました。続く宝塚記念でもメジロマックイーンの2着に入り、彼女は初の賞金5億円を獲得した牝馬となります。その後活動は続きましたが、勝利を挙げるには至りませんでした。

引退後

2000年に現役を引退したイクノディクタスは、その後北海道新冠町の五丸農場で繁殖牝馬として新たな役割を担いました。しかし、繁殖生活は容易ではなく、最初の年は施術を受けて受胎に成功しました。最初の産駒「キソジクイーン」は期待を背負ってデビューしましたが、残念ながら勝利は見られませんでした。さらに後の産駒も競走成績が振るわず、大部分が未勝利に終わりました。

2003年に生まれたYawata Bergは海外へ輸出され、競走馬として成功を収めましたが、狙った繁殖成果が得られなかったことが悔やまれます。2008年には別の種馬との繁殖を試みましたが、こちらも実らず繁殖牝馬としての任務を終えることとなりました。

その後、イクノディクタスは功労馬として引退後の生活を送り、競馬ファンから根強い支持を受けていましたが、2019年には体調を崩し、老衰により息を引き取りました。彼女の功績と存在は多くの人々に記憶されています。

産駒一覧

エピソード

イクノディクタスは「夏女」という異名がある通り、多くの勝利を夏季に収めました。また、屈腱炎に関する疑念があるほど、彼女の実績は多岐にわたります。その血統には、ジャガーメイルやマイネルレーニアといった名馬も含まれており、彼女の系譜は今後も語り継がれることでしょう。

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