エピフォン

エピフォン (Epiphone)

エピフォンは、アメリカの楽器メーカーであるギブソン社の傘下に位置するギターブランドです。長い歴史の中で数多くの革新を遂げてきたこのブランドは、電気ギターにおけるトーンコントロールやダブルネックギターの初採用など、数々の重要な機能を開発してきました。特に1941年には、レス・ポールがエピフォンの工場でソリッドギターの試作に取り組み、その成果として「ログ」というギターが生まれました。このモデルはエピフォン製の多くのパーツが使用されていました。

ブランドの概要

現在、エピフォンはギブソン社のギターやベースギターの廉価版を中心に製造・販売を行っています。ただし、ヘッド部分のデザインが異なるため、別の印象を与えています。かつては日本で製造されていたモデルも存在し、特にエピフォン・エリティストシリーズは注目されています。近年では、エピフォンの一部製品がギブソン社の自社工場によって製造されており、品質の高いモデルとして人気を集めています。

歴史的背景

エピフォンの起源は、トルコのイズミルに住むギリシャ人アナスタシオス・スタトポウロがニューヨークに工房を開いたことに遡ります。当初はバイオリンやリュートの製作からスタートし、20世紀初頭からマンドリンの製作へと進化しました。特に息子のエパミノンダスは、バンジョーといった楽器の設計においても成功を収めました。

1928年には社名を「エピフォン」と改め、エパミノンダスの愛称「エピ」と、ギリシャ語で音を意味する「フォン」を組み合わせたものです。このころから、ギター製作に注力し、次第に高品質な製品を発表していきました。しかし、1945年にエパミノンダスが亡くなると、会社は様々な困難に直面します。

1957年、レス・ポールの進言により、ギブソン社に買収されたエピフォンは、同社の製品として新しいスタートを切ることになりました。ギブソンのカラマズー工場で製造されたエピフォンのギターは、その後も多くのミュージシャンに愛用され続けています。

生産地の変遷

1970年代には生産拠点が日本に移され、その後1982年からアジア各国でも製造が始まりました。1986年にギブソン社が新たな経営陣により買収されたことで、エピフォンは新たにギブソン製品の廉価版を販売する役割を担うようになりました。そして、2006年には日本の輸入総代理店契約が終了し、現在はギブソン社直営の日本法人がモデルを供給しています。

代表的なモデルと著名なアーティスト

エピフォンの中でも特に有名なモデルの一つは「カジノ」です。これはビートルズのジョン・レノンやポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンが使用したことで広く知られています。また、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズや、ブルースミュージシャンではB.B.キングやオーティス・ラッシュが愛用していることでも名を馳せています。さらに、日本では片平里菜やゆずの北川悠仁といったアーティストもエピフォンのギターを使用し、多くのファンに親しまれています。

エピフォンはその革新的な設計と高い音楽性を持つ製品群で、今後も多くのミュージシャンに支持され続けることでしょう。

もう一度検索