カヤバ

カヤバ株式会社（KYB Corporation）

カヤバ株式会社は、自動車部品や航空機部品、さらには建設機械や特装車、鉄道車両など、多岐にわたる製品を製造する日本の大手企業です。2005年に「KYB」ブランドを導入し、2015年には商号を正式にKYB株式会社に変更しました。また、2022年には通称名をカヤバ株式会社にし、2023年には登記名も変更されました。カヤバは芙蓉グループに属し、東京証券取引所のプライム市場に上場しています。

事業内容

カヤバの製品は、二輪車や四輪車用のショックアブソーバー、建設機械向けの油圧装置などに代表されます。特にショックアブソーバーにおいては、国内シェア約65%の実績を誇ります。歴史的には戦後から自動車産業に関与してきており、自動車メーカーからの依頼で製品開発を行ってきました。また、コンクリートミキサー車の架装では国内市場で80%のシェアを持ち、さらに航空機向け、船舶向けの油圧システムにも及んでいます。

近年、環境や防災、福祉関連の製品にも注力しており、東京スカイツリーや関西国際空港などの重要な建築物にも関与しています。ショベル用油圧シリンダーやショックアブソーバーの生産本数は世界中でも最も多く、技術力を誇ります。

ショックアブソーバーの強み

ショックアブソーバーはカヤバの主力製品であり、国内外で大きな影響力を持っています。1950年代からその生産を開始し、現在では日本国内でのシェアは約65%と依然として高水準です。2007年の時点での世界シェアは約22%と、業界内での存在感が伺えます。自動車愛好家の中では「猫足」として知られる独自技術が評価されており、プジョーやシトロエンなどのメーカーも同社製品を採用しています。

油圧システムと航空機事業

カヤバは油圧システム製品についても多岐にわたり展開しています。建設機械向けに自由断面掘削機や立坑掘削機などの製品を製造し、環境機器や産業機械も手がけています。また、免震装置や舞台装置などの生産も行い、建築物に必要な高度な装置の提供を行っています。一時は航空機関連の事業にも進出し、ショックアブソーバーや特定の航空機用パーツの開発協力も行いましたが、2022年には航空機器事業から撤退する決定が下されました。

企業の沿革

カヤバの創業は1919年で、以来、ラマジェットエンジン搭載機や無尾翼戦闘機の開発など様々な革新を遂げてきました。第二次世界大戦後の自動車走行需要の高まりとともに、ショックアブソーバーの量産を開始し、企業としての基盤を構築しました。その後も国際的な市場に進出し、近年ではアジアやヨーロッパ、アメリカ大陸での展開が進んでいます。特に2005年以降のブランド名の変更や、数々のグローバルな提携が特徴的です。

最近の課題

ただし、近年では製品の信頼性に関わる問題も存在しました。特に免震装置に関するデータ改竄問題が発覚し、全国で使用されていた装置に不正が確認されたことは企業にとって大きな打撃となりました。この問題を受け、カヤバは信頼回復に向けた取り組みを強化しています。

カヤバ株式会社は、これまでの技術と経験を生かし、今後も多様なニーズに応える製品を提供し続ける企業であり、グローバルな市場においても影響力を持つ存在です。

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