カラドボルグ

カラドボルグ（Caladbolg）は、ケルト神話のアルスター伝説に登場する伝説的な剣です。カラドコルグ（Caladcholg）とも呼ばれます。

その名前は「硬い稲妻」または「硬い鞘（袋）」を意味するとされ、また「硬い刃」を意味するカラドコルグという別名も存在します。ウェールズの伝説に登場する剣、カレドヴールフ（Caledfwlch）と同一視されることがあり、アーサー王伝説に登場する聖剣エクスカリバーの原型であるという説も有力です。

アルスター伝説の英雄、フェルグス・マク・ロイヒがこの剣を所有していました。クーリーの牛争いにおいて、コノートに亡命していたフェルグスは、コノート王アリルにカラドボルグを奪われてしまいます。しかし、後にアルスター軍との戦いが起こった際、アリル王はフェルグスに剣を返却しました。

戦いの最中、フェルグスはアルスター王コノールを討とうとしましたが、コナル・ケルナッハに説得されます。怒りを鎮めたフェルグスは、カラドボルグを王に向ける代わりに、その剣を振るって付近にあった三つの丘の頂を切り落としたと伝えられています。

このように、カラドボルグは英雄の象徴として、またその圧倒的な力によって、ケルト神話の中でも特筆される剣の一つとして語り継がれています。

参考文献:
佐藤俊之（監修）『伝説の「武器・防具」がよくわかる本』2007年、PHP文庫、ISBN 978-4-569-66918-2、p.44
佐藤俊之、稲葉義明『聖剣伝説』新紀元社、1997年 ISBN 978-4-88317-302-0

もう一度検索