カーギル

カーギル（Cargill, Incorporated）

カーギルは、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス近郊のミネトンカに本社を置く大手穀物メジャーで、食品業界のみならず金融商品や工業製品にも展開している企業です。士族企業であるため、株式はカーギル家およびマクミラン家の関係者が所有しており、非上場企業の特性を持ちつつ、世界最大の売上高を誇ります。特筆すべきは、20世紀に彼らの資産が約6000倍に成長したことです。

概要

カーギルの本社はその独特な外観から「シャトー」と呼ばれ、内部には穀物生産と消費に関する情報が集まる情報センターが設置されています。この情報を基に、世界中の穀物市場で戦略が立案され、特にアメリカの穀倉地帯からメキシコ湾、五大湖、大西洋沿岸にかけて多数の穀物エレベーターを所有しています。こうしたシステムにより、カーギルは価格に影響を及ぼし、輸送手段を持たない小規模農家が市場から疎外される現象が生じています。

国際貿易において、カーギルは石油業界と同様に政治との関係が強いことが知られています。また、近年では水産養殖業への投資を進めており、東南アジアに研究開発拠点を設立したり、飼料メーカーを買収するなど、多様なビジネス戦略を講じています。日本市場には1956年に進出し、トレーダックス株式会社として設立後、2007年に東食を買収して改組した「カーギルジャパン」を設立しました。

歴史

カーギルの歴史は1865年に始まり、創業者であるウィリアム・ウォレス・カーギルがアイオワ州で小規模な穀物商を営むことからスタートしました。次第に穀物倉庫の数を増やし、1906年にはミネソタ州に進出、1909年にはジョン・H・マクミランが社長に就任しました。彼の就任後、カーギル社の株式はカーギル家とマクミラン家で持ち合うことになりました。1922年にはニューヨーク州への販路を拡大し、1970年代にはコンチネンタル・グレインやルイ・ドレフェスらとともに、グローバルな穀物メジャーの一角を形成しました。1990年代には業界再編が進み、1999年にはコンチネンタル・グレインを買収しました。

2000年には従業員数が48,000人、売上高476億ドルを記録し、世界第2位のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社を上回る成績を収めました。2009年度には売上高が1166億ドルに達し、従業員数138,000人を誇ります。

主要株主

カーギルは創業以来ずっと非公開企業であり、株式の大部分は創業家が保有しています。現在は、創業者の子孫を中心に100人以上が株式の90%を占めており、取締役会の17人のメンバーのうち6人が創業家から選定されています。残りの10%は経営陣と従業員持株会が持ち、年間純利益の最大80%を再投資することが合意されています。

関連項目

ユサ社
モンサント（企業） - カーギルが取り扱う遺伝子組み換え作物の研究を行っています。

公式ウェブサイトも存在し、最新情報を提供しています。カーギルの影響力は国内外で高く、今後の展開にも注目が集まっています。

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