キシノウエトカゲ

キシノウエトカゲ（Plestiodon kishinouyei）

キシノウエトカゲは、トカゲ科トカゲ属に分類される日本固有のトカゲです。宮古列島と八重山列島にのみ生息しており、日本に分布するトカゲの中では最大の種類です。

分布

日本（宮古列島、八重山列島）固有種

形態

全長は28cmから41cmに達します。頭胴長は14cmから17.2cmです。最大で40cmに達することもあります。体鱗列数は24から28、背面の体鱗数は24から26列です。背面は淡い褐色で、体側面は暗褐色、腹面は淡い灰色をしています。

幼体の体色は黒色で、黄色い縦縞が7本入っています。最も外側の縦縞は、前肢より前では破線状になります。

オスはメスに比べて頭部が幅広く、頭部下面が赤みを帯びています。特に繁殖期には、オスの頭部はより大型で幅広くなり、顎の赤みもより鮮やかになります。

生態

草原、農耕地、民家の周辺、常緑広葉樹林などの開けた二次林に生息しています。平地の開けた環境で見られることが多いです。カニの巣穴や、石や木の根元の穴などを巣として利用します。

食性は動物食で、甲虫類、直翅類、鱗翅類の幼虫などの昆虫、ミミズ、サキシマヌマガエル、イシガキトカゲ、サキシマスベトカゲなどを食べます。飼育下ではマウスを食べた例も報告されています。

天敵としては、ヘビ類、サギ類、カンムリワシ、イリオモテヤマネコなどが挙げられます。

繁殖様式は卵生です。3月から4月に交尾を行い、この時期にはオス同士の争いが見られます。産卵は4月から5月にかけて行われると考えられており、6月にかけて土手の穴や石の下、倒木や枯草の下などで、抱卵中のメスが発見されることがあります。6月から7月には、卵から孵化した幼体が出現します。

人間との関係

人為的に移入されたインドクジャク（石垣島・伊良部島・黒島・小浜島・宮古島）、ニホンイタチ（伊良部島・波照間島・宮古島）、ノネコ（西表島）などによる捕食により、生息数が減少しています。また、道路建設や舗装に伴う交通事故（石垣島・西表島・宮古島）も、生息数減少の要因となっています。波照間島では1982年以降、確実な目撃例がなく、絶滅した可能性も指摘されています。生息数が比較的多いと考えられていた与那国島でも、近年インドクジャクが侵入・定着し、影響が懸念されています。

日本では1975年に国の天然記念物に指定されています。2017年現在、沖縄県レッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。

• - 環境省レッドリスト：絶滅危惧II類 (VU)

関連項目

• - 両生類・爬虫類天然記念物一覧
• - 両生類・爬虫類レッドリスト (環境省)

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